ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第5話 救出 ( No.7 )
日時: 2010/04/29 16:07
名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)

「俺にそんな事聞くな!俺だってわからない、俺だって生き残りたい、だけどお前にも生き残って欲しい。ハッキリ言って俺にも助けた理由なんて分かんないんだよ!」
「私は何か悪い事でもしたの?」

キキョウが引っ込んだらしい、
話し方はシアだ。

「・・・あれ?・・・」

黙り込んでしまった。
高所恐怖症らしく、
俺の腕をもの凄い力で掴む。

「痛い…。出来ればコレに捕まってくれないか?」

すぐそばにあったクレーンの予備ワイヤーを垂らす。

「・・・・・・」

黙ったままワイヤーに捕まるのを確認し、
引き上げる。
その最中にだ、
よりによって、
ビルの屋上とビル内を繋ぐ扉が音を立てる。
ドン、ドン!
と体当たりしているらしい、
ドアの下の板が少しづつ扉がずれていく。

「マジかよ」

その言葉の内に、
ドアの方向に機関銃が向けられる。
撃つ準備は万端、
いつでもきやがれ!

「早くしてよ〜!怖い!」

シアが叫ぶ。
すっかり忘れていた。
そう思い、
引っ掛けておいたワイヤーを手繰り上げると、
それと同時にドア目掛けて10mm弾が連射され、
体当たりをする音はやんだ。