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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode12 骸骨のオバケ ( No.72 )
- 日時: 2010/05/21 18:07
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
「ねえ、アレ何?」
ヴァムから逃げながらアリスが空を指差す。
2人には何も見えなかったが、徐々に見えてきた。
空飛ぶ…小船!?
その小船は3人の前に墜落し、
木の割れる快音が周囲に木霊する。
「う゛ッ!吐きそうだ。何でこうなるかな…」
誰だ?
見るからに怪しいフードの何者か。
アリスの眼には明らかに敵と映り、
瞬殺を決める!
「チョコレートラビリンス!」
呪文(?)の直後、チョコレートのにおいが辺りに充満する。
アリスはチョコレートの迷宮を木の性質変化により、
一気に建てたのだ。
カカオは木の実、油だって木からも取れる。
そう、狙いは油と迷路!
チョコレートの迷宮に指を向け、
「アンデシリア・バーン!」
一気に燃やす!
「何だ何だ?いい湯加減じゃねえかこの餓鬼ッ!」
「あれ?出力間違えたかな?ではもう一発ドーン!」
アリスの向けた指から爆発がフードの何者かに直撃する。
よし、コレで……。
フードが脱げた時、時間は止まった。
「何だ?その爆竹みたいな火花は?」
「……!?」
相手はフードが取れたことに気が付いていない。
そこにブラッディが割って入った。
「はい、チョット終了。ワイフ、何しに来た?」
「船長命令でね、ヴァム止めに」
「お前じゃ無理だ、船長は絶対遊んでるぞ?」
「酷いな、その言い草」
骸骨は自分の肋骨の一つを取り外すとブラッディを躊躇なく斬った。
肩から腹にかけて大きく斬られ、ブラッディは地面にひざをつくが、
骸骨は攻撃を緩める気配は無い。
むしろ、骸骨の方が怯えているようだ。
「ッたくよォ、俺がその程度でくたばるとでも思ったか?片腹痛い…本当に痛いな、ズキズキする」
知るか、挑発したお前が悪い。
「自己紹介はしたほうがいいか、アリス?俺はワイフ・リノール。船医だ」
「…そうは見えないよ、普通に骸骨のオバケ…」
「その反応止めてくれ」
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