ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 第6話 殺意 ( No.8 )
- 日時: 2010/04/30 16:05
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆akHvV3kiSo (ID: cYSZrqDn)
扉を開くと、階段は鮮血で紅く色が変わっていた。
機関銃は弾切れ、
シアは、さっきまでの記憶が無い。
機関銃を屋上から下を通りかかった奴目掛けて投げ落とし、
頭が砕け、
脳みそが周囲に散乱したのを確認し、
ビルを降りる。
電力は完全ストップされていてエレベーターは使えないが、
かえって好都合。
「あ〜…気分わりぃ」
「何が?私はスリルがあって良いと思うな」
シアは無邪気に言い放つ。
それが何処か恐ろしく、
何時また殺人鬼になるかと思うと油断は出来ない。
ビルの出口に差し掛かった時だ、
誰かが後ろから
「おおッ、やっぱり居たのか。しかも2人も!」
と、言葉を放つ。
敵だ!
マグナムを声の方向に向けるが、
遅かった!
シアが捕まっている!
「動くなよ〜、この娘が惨い死に方をするぜ?」
シアの顔にナイフが突きつけられている。
まさに、
「絶体絶命…か?」
「その通り、お前等も馬鹿だよな?生き残れるのは1人のみ、2人行動なんて愚かしい奴だ」
しばらく俺はマグナムを奴に向け、
奴はダガーナイフをシアの顔に向ける。
・・・・・・・・・・沈黙が続く。
すると、そいつが俺に向かってアイコンタクトを取ってきた。
正しくは、俺の後ろで待機してた奴に向かってだった。
「誰が相手は1人だと言った?愚かな」
ダガーナイフがついさっきまで俺の頭のあった所を通過する。
何とか避けたが、
人質を取られていては手が出せない。
人質?
コイツを人質に・・・ダメだ、
こいつを殺しても奴は平然とシアを殺す!
そんな中、俺に良い考えが浮かんだ。
成功する可能性は低い、
しかしやるしかない!
ドン!
1発の銃声が周囲の空気を揺らす。
その直後、俺を襲ってきていた奴のナイフが空中に弾かれ、
シアを抑えていた奴の顔面に命中、
シアを抑えたまま額から血を流し、
死亡。
シアを抑えていた奴の
ナイフが空に放り出されてのを
空かさず手に取り、
「お前もだ!」
もう1人の顔面目掛けて飛ばすと見事に命中。
白刃の殺意はもう、人間を超えていた。