ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode18 太陽神殿 ( No.90 )
- 日時: 2010/05/26 18:37
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆Kaim8JsO5s (ID: cYSZrqDn)
「返事は1週間の内に返してね〜。私は太陽神殿で待てるから。じゃあね〜」
バシュッ!
低音を立てその場から周囲の空気を巻き込むようにしてフレアは消えた。
恐らくテレポートの類だが、
詳しい種類は私にはさっぱりだ。
「ねえ、ヴァムさん。太陽神殿って、何処?」
「行くのか?止めておけ、お前破門する気か?」
「それもそうだね、行くだけだよ。内容聞くだけ聞いて断る」
「だったら行くな。お前が自分の能力を知って悪用しないなんて保障はあるのか?」
「保障ね〜、…コレでどう?」
そう言うと私はポケットからどす黒い光を放つ十字架のペンダントを出し、
「私はこれからある能力を手に入れる。制約、私が能力を手に入れても悪用しない。違反した場合、私の不死の力を全て失いその場で死に絶える」
そういい、私はペンダントを首から下げた。
それをヴァムが驚いたように見ながら言う事は、
もはや耳に入ってこない。
「お前…何処でダーククロスを…!? 」
「俺が与えた。まさかこんなことに使うとは思わなかったがな」
そう、これはブラッディが製作したモノ。
効力は死ぬほど簡単で、
これから手に入れるものをほぼ確実に手に入れられる代わり、
使用規約を掛けなければいけないという変わった物だ。
しかし、制約のリスクが大きいほど、
手に入れたものの力が増す。
例え、ただの木ですら、1日で巨木となるレベルだ。
「アリス、正気か !?」
「ええ、本気。これでフレアの狂った野望を阻止できるでしょ?」
「いや、狂って居ないんだ。かつての船長とまったく同じ考えなんだよ」
そういい、ヴァムが体の陣のどれかから、
別の花の様な形の十字架を取り出す。
「十字花だ。唯一ダーククロスを無効化できる」
ヴァムはそれをアリスに手渡そうとするが、
間からブラッディが割ってはいる。
割って入った理由は簡単だ。
「俺の傑作をフィオの玩具に壊されてたまるか!」
そう、十字花の製作者はブラッディと対を成す
海賊の猫のフィオだ。
どういうわけか、ブラッディはフィオを嫌うが、
何故か分からないし、
誰も聞こうとはしないので謎のままなのだ。
「いや、一応持っておけ。念のためだ」
「ハイハイ。でも、使わないと思うよ?」
「使うことを願うよ」