ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode20 自分を超える ( No.93 )
- 日時: 2010/05/27 16:37
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆Kaim8JsO5s (ID: cYSZrqDn)
「ハァ…ハァ…。強く…なってる?」
「………。強く…なってる?」
どうも息切れだけは真似できないらしい。
多分言葉として認識していないのだろう、
息を吸う技でも息を吸う音がまったくせず、
魔力のみを吐き出して攻撃してくる。
「もう少し…かな?それよりも…ブラッディ!手伝ってよ!」
「悪いな、俺もクィークも交戦中だ」
3人とも、自分のコピーと戦っているらしく、
何も無い空間で1人もがいている。
ターゲット以外には見えなく、
声も聞こえないようだ。
そして、端から見たら、
勝手に狂って死んだ様にしか見えないという仕組みらしい。
「次で…最後だ」
「次で…最後だ!」
今、少し余計な何かが、
発音が少し違わなかったか!?
そんな疑問を抱きながらも、コピーに凄まじい斬撃の嵐を叩き付けるが、
コピーも鏡のように動き、全て受け止めていく。
その過程で、異変に気が付いた。
シュッ
と音がして、顔の左側にコピーの剣が掠ったのだ。
コレはコピーであり、相手以上に強いモノを作り出す魔法ではない…ハズ!
何故だ!?
何故今剣が顔を掠めた!?
鏡のように動くはずならこっちの攻撃が当たらないのは当然、
相手の攻撃も当たるはずが無い!
何故だ!?
「何で!? 」
「何でだろうね?不思議だね?」
今、コイツ、私と会話していなかったか?
何で?と言ったら、何でだろうね?不思議だね?って、
返してきたよな…?
ここまで見た結果では、最初の間は私のコピーで鏡のようにしか動かなかった!
でも今は、鏡のように以外にも、自分で考えて攻撃してくる!
結論を言えば、相手に合わせて高速で成長する私を作り出す魔術!
倒す方法は、私を越える速さで強くなるコピーよりももっと早く強くなる事!
そんなの、無理と言っても過言ではない。
とにかく、自分を超えろ!
「うわ、マジか」
「ええ、マジよ」
「でもさ、こっちにも相手がいるとは…思わなかっただろ?」
クィークが私のコピーに鉤爪を突き立てて消し去った。
何故だ?
コピーされた本人以外に見えないはずなのに…?