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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode21 フレア ( No.94 )
- 日時: 2010/05/27 16:54
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆Kaim8JsO5s (ID: cYSZrqDn)
やっと戦闘の終わったブラッディが案内し、
太陽神殿の入り口と思われる扉の前に3人は立っていた。
「これが入り口?」
「まあ、そんな所だ。既に神殿の中には入ってるようなもんだからな、深部へ続く扉と考えた方がいい」
「早く行きませんか?」
そういえば、クィークは変わった奴だ。
さっきの戦いの最中、1番早く決着をつけ、
更にはコピーされた者にしか見えないはずの、
コピーに鉤爪で攻撃したのだから。
そんなクィークをじっと見ていたのに気が付いたのか、
クィークは小声で、
「私の正体については後で話しますよ。まずはフレアに会いましょう」
と言っているのが聞こえたが、
何故小声なのかよく分からなかったし、
猫であるブラッディにも聞こえていただろう。
しかし、今回は珍しくブラッディは聞かなかったかのように振舞っている。
「お〜い、フレア!居るか?」
扉の前でブラッディが叫ぶ。
…そんな事言っても、多分フレアの元には声が届かないだろう。
そんな考えの矢先、扉が開き、中から人影が現れた。
スゲェ!届いてた!
「どちら様ですか?アリスって人?」
そいつは、聞いた覚えのある声だ。
そう、昨日聞いたばかりで忘れない。
フレアのはずなのだが…。
「ああ、やっぱり。こっち、付いて来てください」
フレアっぽくない!
姿と声は同じだが、口調が既に違うし、
何よりあのヒョウキンな感じがしない。
「姉さ〜ん!アリスって人来たよ〜!」
姉さん?ッて事は妹か。
しかも…双子の。
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