ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode23 龍 ( No.97 )
- 日時: 2010/05/29 16:15
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆Kaim8JsO5s (ID: cYSZrqDn)
「コレでアリスは必要なくなったわけだ」
契約を確認したフレアがつぶやく。
それを船の上で聞き取る猫が居る事も知らずに…。
「アリス、来るぞ。戦闘態勢になってろ、もう2,3分でこの島に龍が攻めてくる」
「え?何の冗談?来るわけ無いじゃん」
そんな言葉の直後、一閃の光がマストを貫いた。
…攻撃されている!?
何処からだ?
「おお、早いな、もう来た。船を降りて森に誘い込め。船が吹き飛ばされるぞ」
「私は船長命令しか聞きませんが…?」
「クィーク、ブラッディの言ったとおりにして」
「了解しました」
3人はすぐさま船を飛び降りると森へ向かって飛んだ。
そして高い木の上に降り立つとよく見えた。
龍が5匹…6匹ほどの群れでこの島に向かっている。
「龍って弱点無いの?」
「目玉と心臓だが、あの手の龍は弱点が無いと思うな」
「…最悪、泣けるね」
「来ましたよ!」
ゴウゥゥウゥゥウウウ!
凄まじい風を切る音と共に3人の乗っていた木が根元から切り倒された。
そして落ちていく3人を別の龍が襲う!
「ぅ゛〜ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!」
それを見たアリスは不死鳥化し、2人を背に乗せ、
突っ込んで来る龍を足で掴むと急降下し、
一気に地面へと叩きつける!
しかし、それを見計らったかのように残りの4匹が集中攻撃をかけて来る!
キュゴォオォオオォォオオン!
4匹の技がアリスの飛んでいた所で衝突し、大地を揺るがす。
その直後、爆炎を突き抜け1匹の龍が別の龍へと体当たりをした。
実際は体当たりではなく投げつけられたのだ。
その2匹の龍は地面にたたきつけられリタイア、
残るは3匹、後半分だが、不死鳥化は思いのほか体力の消耗が激しい。
4匹目の首を引きちぎった所で疲れ果て、アリスは人の形に戻ってしまった。
「ヤッベ、万事休すってやつか」
「いいえ、そんな事ありませんよ。2匹だけなら私が倒せますから」
「…馬鹿、無理するな。死んだりしたら私が君を殺す!」
「いいえ、死にませんよ」
クィークは龍目掛けて突っ込んでいったのを、いい的だと思ったのか、
龍2匹ともが喰い殺しにかかる!
しかし、2匹とも喰おうとしたとたん、
地面に自ら突っ込み、共倒れだ。
「言ったでしょう?死なないですよ。しんでいるのだから」