ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Episode24 シンデイル ( No.98 )
- 日時: 2010/05/28 22:31
- 名前: 禰音 鏡幻 ◆Kaim8JsO5s (ID: cYSZrqDn)
クィークの突然の告白に2人は言葉を失った。
それを見たクィークは気まずくなったらしい、
急に弁解を始めた。
「ああ、でも死んでるけど…平気ですよ!? 実体は一応ありますから!ね!? 」
「良いよ、船員である事と、私達を助けた事に変わりは無い。気にするな、船長命令だよ」
「……了解しました」
クィークが嬉しそうにこちらを向いた時だ、
倒れていたはずの2匹の龍がクィークを踏み潰した!
それを見て私は凄まじい喪失感に襲われ、
その直後に、我を忘れ龍に容赦無い攻撃叩き付け殺したらしい。
「オイ!アリス、目ぇ覚ませ」
「…」
眠くて体が重いから無視。
「起きろ!起きろよ!」
やっぱり無視
「起きやがれ!」
その言葉の直後、ドォン!
という轟音が部屋の中を駆け巡った。
恐らく、キレたブラッディがドアを蹴り、
ふっ飛ばした音だろう。
しかし、眠いから無…。
「無視すんなッ!良い加減、起きやがれッ!」
ドム!
「あぅッ!…寝てる人…しかも重傷の人に向かってそれは無いんじゃないの?腹に肘撃ちなんて…」
「やりすぎですよ!ブラッディ!怪我人はもう少しいたわったらどうですか!? 」
「うるッせえ!無視したアリスが悪い゛ッ!」
今度は私の右ストレートが某馬鹿猫の腹に命中し、
悶絶して動かなくなった。
…やりすぎたかな?
「う゛…あ゛に゛すん゛だよ゛…」
「さっきの仕返し。で、ここ何処?」
「最初にそれ言うべきじゃ無いか!? 」
「ここは零嘉の家ですよ。彼女、スカウトしたらどうですか?」
少し考え込む。
そうか、その手があったか。
でも、この港に居るってことはあれだ、
何か目的があってここに居るんだ。
「…止めておくよ」
「そうですか。では、こっちはどうですか?」
クィークが左手で子龍の首を掴みぶら下げている。
その龍はこちらをじっと見て、しばらくの沈黙の後、
アリスの方に行かせろと言わんばかりに手足をばたつかせ、
クィークの戒めから逃れようともがいている。
「おいで」
クィークから龍を受け取ると、足に何かを付けているのが目に止まった。
…まさか。
「まさか、ハデス?」
「キュウゥ!」
嫌な予感がする…。