ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SURVIVAL GAME ( No.103 )
- 日時: 2010/05/13 21:29
- 名前: いち ◆mBjthR0pMA (ID: PmZsycN0)
STAGE ⅩⅠ 「洞窟の罠」
5チームの3人に囲まれる形になった。
注意すべきは冷凍ガス放射装置を所持する永世だ。
銃を持った男と、メリケンサックを持った男は、蚯蚓の銃で牽制できる。
「さあ〜て、3人まとめて氷漬けにしてあげよう」
永世が一歩、こちらに近づいた。
俺はすぐさま足元の石を蹴り上げて、永世に向かって飛ばした。
「!?」
永世は反射的に伏せる。
その隙を突いて
「逃げろ!!」
俺たちは不意を着いて穴に飛び込んだ。
「く、くそ! 追え!」
永世が指示を出して3人が追ってくる。
「止まるな! 行け!」
俺たちはどんどん穴を進む。傾斜が着いているところを見ると、俺たちは下っているらしい。
一本道なので隠れて不意打ちはできない。
すると、まさか……!!
そのまさかの光景が、俺の目の前に出てきた。
行き止まり……
大きな壁が、道をふさいでいる。
「まずい…」
「くそ! ここまデカ!?」
俺たちはなす術もなく止まってしまった。
どんどん足音が近づいてくる。
「もう、だめだ……!!」
籐梅が絶望をつぶやいた時—
俺は、壁には不自然なボタンのようなものを見つけた。
「……頼む!!」
俺は祈るような気持ちでボタンを押した。
すると—
いきなり壁は回転し、俺たちは壁の内側に吸い込まれた。
中は、空洞にテーブルなどを置いて住めるようにした隠し部屋のようなものだった。
「ホウ……」
麗鈴が珍しそうに辺りを見回す。
部屋の中には、テーブルと、ベッドと、ごちゃごちゃとモノが積み重ねられているスペース以外は、洞窟と変わりない。
とりあえず、俺はモノをあさってみた。
使えそうなのは、大型のゴムボートと、この部屋を作った時に使ったと思われるドリルだ。
あとは、ガラクタかとても役に立つとは思えないものばかり。
とはいえ、見つけたものも、どんな風に使えばいいかなど思い浮かばない。
途方にくれかけてきた時、籐梅が何かを見つけた。
「おーい……なんか水が漏れてるぞー」
「何?」
俺は水漏れしているところに行った。
ひょっとして、水道でも引いてあるのか?
俺は水を触って、なめてみた。
「しょっぱい……海水か」
そういえば、下に下りれば、壁の外に面するのは海だ。
海に、面している…?
俺は、ある1つの作戦を思いついた。
これなら、5チームに逆転できる…!!
俺はすぐさま指示を出した。
「おい! 麗鈴、蚯蚓、籐梅! このゴムボートふくらましてくれ! 道具は……あった! この空気入れで!!」
「は、はい……」
3人は不思議そうな顔をして作業に入った。
俺はドリルを持って、海水が漏れている場所を広げにかかる。
「お、おい! 秋夜、何シテル!?」
「いいから黙って言うとおりにしろ!!」
俺は構わずドリルで穴を広げる。
いける、これで、5チームに逆転できる……!!