ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SURVIVAL GAME オリキャラ募集!! ( No.11 )
- 日時: 2010/05/02 15:57
- 名前: いち ◆mBjthR0pMA (ID: PmZsycN0)
STAGE Ⅲ 「それぞれの武器」
「とりあえず武器を探そう」
「「はーい」」
俺たちが出てきた建物から300メートルほど西に、森があった。
俺たちは身を隠すためまずその森に移動した。
その森での目的は、1つ。
武器の調達だ。
丸腰では他のチームと戦えない。それどころか、武器を持っていないと言う理由で他のチームに襲われかねない。
そういうわけで、武器を見つけるのは、このゲームに勝つためには必須の条件なんだ。
「でもさあ、秋夜、武器ってどんな感じで置いてあるの?」
真理奈が聞いてくる。
「さあな、あまり難しく隠したりはしていないと思うけど…」
「ひょっとして、宝箱とか?」
辻は真剣な顔で考え込んでいる。
どうやらさっきの戦いを見て、少しは状況を理解したらしい。
これで真理奈も、じきにマジメになってくれるだろう。
しばらく森の中を歩いていると、木の陰に、何か箱のようなものを見つけた。
「あれは……ひょっとして…」
「行ってみよう! 秋夜!」
俺たちは箱のそばに近寄った。
箱には「Weapon」と書かれていた。
「何だこれ…ウ、ウィ…?」
どうやら辻は英語が苦手らしい。
「ウエポンだよ。武器って意味の英語だ」
「へえ〜」
とにかく、武器を見つけた。早速中を見てみよう。
俺は恐る恐る箱を開けた。
「え…これ、刀?」
「日本刀…だな」
箱の中に入っていたのは、日本刀だった。
かなり長い。しかも思ったほど重くないので、楽に振り回せる。
これはいい武器を手に入れた。
「あれ? こっちにもあるよ?」
「こっちにもだ」
どうやら、武器はある程度まとめておいてあるらしい。
2人がそれぞれの箱を開ける。
「わっ!? 銃??」
真理奈の箱には、ハンドガンが入っていた。
弾もたくさんあるようだ。ぎっしりと中身の詰まった大きい袋がある。
「あれ? 武器じゃないぞ?」
辻が首を傾げている。
俺も見てみると、確かに武器のようなものは無い。
だが、ある意味武器よりも重要なものが入っていた。
「これは……地図だな…コンパスもある」
地図には大きい島が1つある。どうやらここは孤島のようだ。
島全体の建物の位置などが示されている。
所々見える宝箱は、武器の場所だろうか。
地図によると、最初にいた部屋がある建物は島の中心に位置している。
今いる森も、地図上に示されている。
「えー何々? 地図?」
真理奈もこっちに来た。
「辻、真理奈、こいつは大きな武器だぞ。これで島を迷うことはなくなる」
「そっか、そう言われれば、そうかも」
「でも、俺だけ武器無いぜ? ま、探せばいいけど」
「そうだな、まずは辻の武器を探すのが先だ」
とりあえずの方針はまとまった。
早速移動しようとしたが……
「ようようよう、いいもん持ってるじゃん?」
「…!!」
いつの間にか後ろに、3人組のチームがいた。
3人とも男で、全員武器を所持している。
1人が鎖、1人が包丁、もう1人は鉄パイプだ。
「俺たちもあんたらみたいなカッコイイ武器が欲しいな〜」
鎖を持った男がニヤニヤ笑いながら言った。
どうやら、目当ては日本刀とハンドガンらしい。
「あんたらのも悪くないと思うけど?」
試しに挑発してみた。
「おいおいおい、ふざけてんのか?」
包丁男が一歩こっちに近づく。
「年下だからって容赦しねえぞガキ!」
するといっせいに男たちがこっちに向かってきた。
人殺しなんてしたくない。でも、やるしかない—!!
俺は1番厄介な鉄パイプの男に突進する。鉄パイプの男は、俺が突進するとは予想してなかったらしく、一瞬動きが止まった。
「でやあっ!!」
目を閉じて日本刀を振り下ろす。
「ぐはっ……」
鉄パイプの男は血しぶきをあげて倒れた。
残りの2人はそれを呆然と見ている。
俺は肩で息をしながら、2人をにらみつける。
「次はどいつだ?」
精一杯凄みを利かせた。だが、その必要は無かった。
「うぐがあああああ!」
「ああああああ!」
先ほどと同じように2人が苦しみだしたからだ。
ほどなくして、2人も息絶えた。
「お、終わったの? 秋夜…」
真理奈が震える声で聞いてくる。
「ああ、時計を回収しよう」
俺はとりあえず鉄パイプの男の時計を回収した。
「さあ、2人とも、時計を回収するんだ」
だが、2人は動こうとはしない。
「どうした?」
2人とも首を左右に振りながら何も言わない。
やがて、俺は怖くて死体に触れられないのだと分かった。
俺は、2人の分も時計を回収して、渡した。
「ごめん、秋夜…」
「俺も、ごめん」
「謝ることは無い。怖いのは当然だ」
何がともあれ、あと時計一つで生き残れる。
だが、その残り一つが大きな大きな一つになるのは、俺たちはまだ知らない。
残り90チーム