ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SURVIVAL GAME ( No.141 )
- 日時: 2010/05/21 22:45
- 名前: いち ◆GVslyoVS2Y (ID: PmZsycN0)
STAGE ⅩⅦ
くそ、秋夜はどこだ!?
私は必死に辺りを見回す。
すると、雷に打たれたような痕がある木が何本もある。
(ここからそう遠くない…)
私は、その時、ひときわ木がこげている地帯を発見した。
「辻君、真理奈ちゃん。あそこだ」
すると、秋夜のチームメイトである2人は一気に駆け出した。
「あ、ちょ、待っ……!」
仕方なく、私も後を追う。
しばらく、走った後、2人は急に止まった。
「どうしたの?」
私は2人に聞くが、2人は答えない。
私は、2人ごしにその光景を見ると…
地面に倒れて動かない秋夜の姿があった。
「秋夜っ!!」
私は直ぐに駆け寄り、秋夜の状態を確認する。
どうやら、ギリギリで命は助かってる。
だが、間違いなく重症だ。
急いで別の場所に運ばなければ…
すると、私の真上から、何かが降ってきた。
「……!!」
私は秋夜を抱えて横に転がる。
雷……?
「大丈夫か、鬼!」
天が私に気付いた。
「師匠、一旦後退しないと!」
ミーナもすぐに来た。
「みんな、私の傍に来るんだ!」
天とミーナはすぐに意味を察して私に近寄る。辻君と真理奈ちゃんも遅れながらやってきた。
だが、その時—
私の前の、空間がゆがんだ……
「な、何だこれは……!?」
今まで天たちが戦っていたと思われるチームも、突然の異変に戸惑っている。
ゆがみは次第に大きくなり、ついには木をも越えた。
そして、空間はゆっくりと裂けて、そこから—
超巨大な、ロボットが顔を出す。
「何……!?」
天が言葉を失う。
まさか、あんな武器が存在しているとは。
ロボットはやがて、その全身を私たちの前にさらした。
全体的に銀で配色され、肩当やら胸当てやらがついている。
見たところ、全身に武器を仕込んでいそうだ。
ロボットは、左腕をゆっくり、私たちに向けた。
すると、左腕は瞬く間に、ビーム砲らしき物体に変わった。
瞬間移動は間に合わない—!!
「逃げろ!」
言うと同時に、私は秋夜を抱えて走り出す。
ミーナと天もそれぞれ真理奈ちゃんと辻君をつれて散った。
そして次の瞬間、私たちがいた場所に、ビーム砲が穴を開けた。
ズガアアアアアアアン!!!!
恐ろしい音があたりに響く。
くそ、私でもこいつには相当時間をかけないと倒せない。
秋夜はまだ意識を失ったままだ。
それにしても一体、操縦者はどんなやつなんだ?
すると、ちょうど操縦者の方も声をかけてきた。
スピーカーを通して、私たちに宣言する。
「ゲームはこの俺、2チームの後藤心が支配した! まずは手始めに、お前達を消してやる!!」
なるほど、こいつもゲームの参加者か。
そんなことを考えていると、突然ロボットの胸の部分が開いた。
中から出てきたのは……無数のミサイル—!!
「ははははは! 消し飛べ—!!」
言うと同時に、ミサイルが発射される。
ミサイルは、さらに枝分かれして、私たちに迫る。
私は決断した。
「天! ミーナ! いったん別行動だ。今はとにかく逃げろ!!」
それだけ言って、私は走り出した。
くそ、間に合え、間に合え……!!
ミサイルが着弾して、衝撃が襲ってくる。
「うわあああああああああっ!!」
私はの意識は、そこで途切れる……
ここは、どこだ…?
俺が目覚めたとき、そこは何も無い。真っ白な空間だった。
辺りを見回すが、何も無い。
本当に、ここは一体…
「ここは、私の中だ」
急に、声がした。
「誰だ!」
後ろを振り向くが、誰もいない。
「私は滅華。貴様に力を与えるものだ」
「俺に力を……?」
ここにきて、俺に力を与えてくれたものといえば…
「お前、あの日本刀か…?」
「まあ、そうだ。貴様は一度死んだ。だが、私が課す試練を乗り越えれば、再びこの世に復活する事が出来るだろう」
そうか、俺は、雷を食らって、死んだんだっけか。
「試練って?」
「質問に答えるだけでいい。簡単な質問だ」
「何だ、質問に答えるだけで、俺は生き返れるのか?」
「それどころか、新たに力を授けよう」
「ずいぶんと気前がいいね」
「ふん、それはどうかな」
「まあ、いいや。質問は何だ?」
「では聞こう。遠野秋夜、貴様は何のために戦うのだ?」
俺が、戦う理由……?