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Re: SURVIVAL GAME  ( No.143 )
日時: 2010/05/23 10:27
名前: いち ◆GVslyoVS2Y (ID: PmZsycN0)

STAGE ⅩⅧ  「滅華」

「俺が戦う理由……?」

「そう、貴様が戦う理由だ。簡単だろう?」

簡単も何も、答えは1つだ。

「生き残るためだ」

「違う」

違う? じゃ……

「うーん……と、あの主催者を殺すため?」

「違う」

「っていうかちょっと待て。俺が戦う理由なんてあんたが知ってるわけ無いだろう?」

「いいや、知っているのだ。遠野秋夜。貴様が真に戦うべき理由は他にある」

一体、それは何だっていうんだ……?











秋夜は、いまだ意識を失ったままだ。

生きてはいるが、それだけだ。

まさか、植物状態になったのか?

それなら、状況はかなり絶望的だ。

私は、若干のあせりを感じながら、まるで動かない秋夜を見る。

そこで、ふと思った。

秋夜は雷に打たれた。

なら、こうして生きているのはおかしくは無いか?

もちろん、秋夜が生きていたのは嬉しい。

だが、雷が直撃して生きていられる人間などいるはずがない。

それこそ、私や天のように人でありながら人ではない者でないかぎり………

私は、秋夜の体に異変が無いか調べた。

どこにも、怪しいものは見つからない。

では、何故秋夜は……?

そこで、秋夜の日本刀に目が留まった。

もしかして、これが秋夜に力を………?

私は、日本刀をそっと持ち上げてみて、戦慄した。

私はこの日本刀を知っている。

妖刀・滅華—

神に逆らい、悪魔になった天使、サタンが自らの力を封じたといわれる伝説の日本刀だ。

その比類なき破壊力は天が持つ最強の日本刀「天上天下唯我独尊」ですら太刀打ちできないといわれている。

「天上天下唯我独尊」が最強なら、「滅華」は最凶とでもいうべきか。

詳しい能力などは、一切不明。私ですら、その情報については欠片ほども知らない。

でも、それを使った人間についてはいろいろと聞く。

その全ては、不運が続いた末に命を落とす、といった内容のものだ。

そんなものを、秋夜は今まで使っていたのか。

確かに、この妖刀なら、使うものの身体能力を上げるという付加能力ぐらい軽くついてきそうだ。

できれば今すぐにでも捨てたいが、今は秋夜の命がこの刀にかかってる。

待つしかないな。それに………









「やあ、忙しいみたいだね、仮面のお姉さん?」

後ろに、敵が3人いる。

まあ、ちょうどいい暇つぶし、かな。

「誰だい、君たちは?」

「俺たちは、48チームだ」

48チーム。

今しゃべっていた男と、2人の女で成り立っているチームのようだ。

「そうか、私は鬼だ。といっても、分からないだろうね」

「いや、そんなことはない。あんたが最強1チームのリーダーだろう?」

「おやおや、ずいぶんと評判がいいね」

「それはもう。ところで、仲間はどうした?」

「ちょいと事情があってね。今は別行動中だ」

「へえ、それは、運が悪かったな。あんたの命は、今ここで、俺らが貰う!」

「ほう、たった3人で私に勝てるとでも?」

「そうとも、あんたでは俺たち3人に勝つことはできない!」

瞬間、殺伐とした雰囲気が、辺りに流れる……

「君たちの名前を聞いておこうか。私に勝てると言い切ったのは君たちが始めてだ。ぜひ、名前を聞いておきたい」

「俺は、威牙無限! あんたを倒す男の名前だ!」

そういいながら、走り出す。

「じゃあ私もついでに。鼓動葵よ、よろしく」

左にいたいかにも好戦的な女も走り出す。

「碑之マヤだよー!! それでこっちは山猫のさっちゃん!! よろしくねー!!!」

元気がとにかく有り余っていそうな女が、最後に走り出した。

後ろから、彼女のペットと思われる山猫も走り出した。

「っていうかマヤ! 何で俺は男なのにさっちゃんなんだ!?」

驚いた、この山猫、しゃべるのか……

「なんだか、退屈はしないで住みそうだけどね?」








































私の力、存分に味わうといいよ—!!