ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SURVIVAL GAME ( No.148 )
- 日時: 2010/05/27 23:21
- 名前: いち ◆GVslyoVS2Y (ID: PmZsycN0)
STAGE ⅩⅩ
閉ざされた闇の中。
一筋の光—
さあ、出口はここにある………
「ふははははははははは!! 君たちでは勝てないよ! この僕には!!」
声は、突然聞こえた。
「……あのロボット!?」
私はすぐさま暗闇に浮かび上がる大きな影を見つけた。
「………あそこか!」
私は瞬間移動でロボットの前に躍り出た。
「……貴様!」
すぐさまロボットは左の腕に仕込んであったマシンガンを乱射させる。
私は、さらに真上に飛び上がり、双刀で衝撃波を放つ。
「…くくく、そんなもん効くか!」
ロボットは巨体の割りに動きも俊敏だった。
目にも留まらない速さで蹴りが繰り出される。
「きゃあっ!?」
私は一気に木に叩きつけられた。
「くっ………」
なんという化け物だ。
私ですら、動きを完全に見切れない……!!
「大丈夫か!?」
近くに居た天がそばに来てくれる。
「ああ……大丈夫だよ」
私はゆっくり立ち上がり、ロボットに向き直る。
「私たちは負けられないんだ。秋夜が戻ってくるまで。絶対に」
私の周りに、みんなが集まる。
「私も、あまり役に立てないかもしれないけど、それでも、秋夜の為に何かをしたい」
「俺も、出来ることならなんでもする」
「師匠、この命は最初からあなたに預けています。どのようにもお使い下さい」
「—うん。みんな、秋夜はもうすぐ帰ってくる。それまで、なんとしても持ちこたえるぞ!!」
言い終わると、みんなが散らばる。
辻君が無数の星を操ってロボットをかく乱する。
真理奈ちゃんはハンドガンは効果が無いことをわかっているので、とにかくロボットの隙を探して辻に伝える。
「辻君! 右斜め後ろ!」
「了解!!」
攻撃するのは主に私たちと反対にある位置だ。
その方にロボットの注意を向けているうちに私たち3人で突っ込むためだ。
辻君が操る星からレーザーが放出され、ロボットの表面を焦がす。
「! 貴様—」
ロボットが完全に辻君の方を向く。
「今だ!!」
私が真ん中、天が右、ミーナが左に、飛んだ。
『でやあああああああっ!!』
3人の斬撃が重なる。
「……うわああっ!!」
コレには溜まらずロボットもひっくり返った。
だが、さすがに倒すまでには全然至らない。
ロボットは直ぐに立ち上がった。
「貴様ら、もう怒ったぞ!! 1人残らず、この俺が消してやるっ!!」
すると、ロボットが全ての武器を開放した。
「……何!?」
この数では、いくらみんなで力を合わせても防ぎきれない……!!
絶体絶命—
私は思わず目をつぶった……
暗闇の中を、俺は進んでいく。
ただ一筋の光を追って。
俺は知っている。その光の先に、皆が待っていることを…
皆は、無事なのだろうか。
そんなことを考えていると、光が、急に大きくなった。
あっという間に視界が光に包まれる。
けど、今の俺なら、目を開けられる。
その先にあるモノを、見ることが出来る。
今、俺の目の前にあるものは……
突然、視界が真っ白になった。
「……何だ!?」
私は光が消えるのを待って、ゆっくりと目を開けた。
そこには、待ちわびた男の姿があった。
日本刀を片手に、空中にたたずむそいつは、
紛れも無く、遠野秋夜だった。
「—みんな、待たせたな」
「あ、あ、あ、秋夜ああああっ!!」
皆が叫ぶ。辻君や真理奈ちゃんにいたっては泣き出している。
「な、何だ貴様は!?」
スピーカーから声が発せられた。
「俺は、遠野秋夜、あんたを倒す男の名前だ。覚える必要は無い。どうせすぐにあんたは地獄行きだからな」
秋夜は、言いながらゆっくりと地上へ降りる。
地面を踏みしめたとき、秋夜は宣言する。
「さあ、カッコよく決めようか」