ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SURVIVAL GAME ( No.155 )
- 日時: 2010/05/30 13:16
- 名前: いち ◆GVslyoVS2Y (ID: PmZsycN0)
LAST STAGE
チャラロロリン♪
出し抜けに、時計から音が鳴った。
「何だ…?」
見てみると、画面にこう表示されていた。
『生き残った諸君、おめでとう。君たちは見事生き残れる33チームの中に入った。
この後の説明を行うから、最初の建物まで来ること』
「…どう思う? 秋夜」
鬼が画面を見ながら言った。
「……おそらくは…いや、いい。早く行ったほうがよさそうだ」
俺たちは早速、建物に向かって歩き出した。
「それにしても、刃桜だっけ? すごい技だなー」
天上天下唯我独尊が、少し恨めしそうにつぶやく。
「でも、若干俺のトリックスターとかぶるんだよな」
辻が苦笑すると
「でも秋夜の方がカッコイイよねー?」
と真理奈が毒を吐いて辻は撃沈する。
それを見てミーナと鬼は大笑いした。
なんというか、今回のことですごく仲良くなった気がする。
そう思いながら、歩いていくこと30分—
ついに、建物に到着した。
どうやら、俺たちが最後だったらしい、建物の中には、かなりの人数がいた。
ゲーム開始から3分の2少ないが……
残っている面子の中には、かつて戦ったチームが全て生き残っていた。
人ごみの中から、81チームが出てきた。
「へえ、君生きてたんだ。頑丈だね」
仁杜とか言うやつが、ニヤニヤしながら挑発してくる。
すると—
「どけよ」
辻が仁杜を押しのけた。
「秋夜、こんなクズにかまってないで、行こうぜ」
すると、他のみんなも81チームをシカトしていくので、俺も無言のまま立ち去った。
そのまましばらく待っていると、硬く閉じられている扉が開かれた。
中から出てきたのは、Mの仮面をかぶった男だ。
仮面の男は俺たちの前に立つと、すぐに話を始めた。
「諸君、改めて、生き残りおめでとう」
誰も反応しない。
「君たちは、選ばれし33チームの中に入ったのだ。手放しでなくとも、まずはよろこびたまえ」
くそったれ。
誰もがそう思っていたに違いない。一部の、戦闘狂を除いては。
仮面の男は続けた。
「言っておくが、私の言うことには耳を傾けたほうがいい。今は安堵しろ。すぐにそんな暇はなくなる」
「どういう意味だ?」
鬼が言った。
「戦いは、未だ始まりに過ぎない…そういうことだ」
その言葉が聞こえたと同時に、部屋中にどよめきが広がる。
「そう、諸君らが今まで戦ってきたのは、SVG第一ステージだ!!」
その言葉で、一気に静まり返った。
「これより、SVG第2ステージの開催を宣言する!!」
誰も、悲鳴すら上げない。
「第2ステージの仕組みは簡単!! 今ここにいるのは99人! これが30人になるまで戦ってもらう!」
もちろん、誰もがこの意味を察していた。
「ただし、これまで組んできたチームは、解消とする!! 各自、全員が敵と思え! なお、自主的にチームを組んだりするのはOKだ。1人で自信が無いものは、仲間を作ってみてはいかがかな?」
それだけ言うと、仮面の男は自分が言う事はもう何もないといった風に、口を閉じた。
この場にいる全員が、考えた。
誰が死に、誰が生き残るのか—
答えはたった1つ、
生き残るのは、自分……
そう、これはまさに「生き残るための戦い」
仮面の男が告げる。
「時間だ。ゲーム、スタート!!!」
END