ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: SURVIVAL GAME 第1ステージ完  ( No.174 )
日時: 2010/06/16 18:56
名前: いち ◆GVslyoVS2Y (ID: PmZsycN0)

PROLOGUE 

「いよいよ、ですね、マスター」

背中に2本の剣を背負った女が、その覚悟を問うような口調で言う。

「ああ、いよいよだ、いよいよKINGを決める戦いの本当の始まりだ」

「KING………前回の大会は、30年前でしたか」

女が静かに言う。

「そうだ。しかし、あの時は色々と計算にないことが起きたから、結局KING決めどころか、我々の生命自身が危ぶまれる緊急事態になったのだ」

Mの仮面をかぶるマスターと呼ばれる男の声が暗いものとなった。

「しかし、今回は違います」

すかさず女が言った。

「……そうだな、今回こそは我らのKINGを決めねばならない。細心の注意を払ってきたんだ。失敗などありえない」

女はその返事に納得した様子で続けた。

「私たちは、大いなる使命のもとで生きてきています。必ず、悲願を達成しましょう」

「ああ、もちろん」

そして会話は途切れ、2人はテレビモニターに映る1人の少年を眺める。

画面に映るテロップにはその少年の名前「遠野秋夜」と記されていた。
























「さて、彼は……KINGたりえる逸材なのか」

マスターの声が、いやに大きく響いた。