ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SURVIVAL GAME ( No.209 )
- 日時: 2010/07/25 10:45
- 名前: いち ◆ovUOluMwX2 (ID: PmZsycN0)
STAGE Ⅶ
「あははは! 爆弾男死んじゃったね♪ 誰がやったのかな?」
石切は血まみれの刀を持ったままそんな質問をする。
「お前以外に怪しいやつがいたらぜひ教えてくれ」
俺は滅華を構える。
「へへ…いないなあ? だってあの男は私が殺したんだか…らっ!!!」
いきなり石切は飛び掛ってきた。
「はっ!!」
俺は滅華で石切の剣をはじき返す。
前に戦ったときよりも速い。
「あはは、よく受けきったね? やっぱり秋夜君も強いんだ?」
「お前にほめられてもね、何故だかあんまり嬉しくない」
「それは…手厳しいねッ!!」
再び石切が襲い掛かってくる。
「甘いな、石切! お前の動きは…直線的過ぎるんだよ!!」
俺はさきほどと同じ様に石切の剣をはじき、体をひねりながらケリを入れた。
「きゃあっ!?」
石切は吹っ飛び、木の幹に激突した。
だが、すぐにフラフラと立ち上がる。
「痛いなあ? ひどいよ、秋夜君♪」
「つくづく気持ち悪いヤツだな」
石切はさほどダメージを負ってないようだ。
「えへへ、よく言われるよ…? あ、そうそう。秋夜君にお返ししなきゃ? さっき吹っ飛ばしてくれた分、きっちりとね?」
「できるなら、な…」
「できるなら…? ………私を吹っ飛ばしておいて…………ふざけるなッ!!!!!!!!!」
突如石切は激昂し、猛然と襲い掛かってきた。
さっきよりも速いし、一撃が重くなってきた。
「チッ!」
徐々に押されていく。
「死ね! 死んでしまえっ! よくも私を、ヨクモワタシヲオオオオオオオオ!!!!!!」
信じがたいことに、一発ごとに威力が増している。
くそ、このままじゃ…
「隙ありぃ!!」
ガキン!
ついに滅華がはじかれた。
「喰らえ!」
石切の渾身のケリが俺の体に当たる。
「ぐはっ…」
俺もまた木の幹にたたきつけられる。
ただし、今度は木がへし折れるほどの勢いだ。
「はあ…はあ…はあ…私としたことが、つい切れちゃった♪ 秋夜君をもっといじめてぇ…あとちょっとHなこともしちゃってぇ…それから殺そうと思っていたのにぃ」
「勝手に人を殺すな」
「はにゃ?」
俺は咳き込みながら、ゆっくりと立ち上がる。
「やってくれるじゃねえか。石切。今のは何倍返しだ?」
「な〜んだ、生きてたんだ? …でも嬉しい♪せめて死ぬ前に私と楽しいことしよっ?」
「お前と…? 激しく辞退させていただくよ。お前の楽しい事はどうせ人殺しだろ?」
「もう、つれないな?」
「愛想のない性格なのは生まれつきだ」
俺は再び滅華を構える。
「いいの? 秋夜君未経験なんでしょ?」
なんとも場違いな質問だ。
俺は無視して、滅華の最大の特技を使う。
「刃桜」
「へえ…? 秋夜君も本気の本気ってわけだ…?」
「そういうことだ。悪いが一瞬で終わらせてもらう」
俺は刃桜を一斉に石切の方へ飛ばす。
「終わりだ!」
俺が言うと同時に、石切がいた場所は無数の刃桜で埋め尽くされた。
と、思いきや—
刃桜が全て吹き飛んだ。
「くそ……」
俺は石切がいた場所をにらみながら、もう一度と、刃桜を飛ばそうとする。
だが—
「何!?」
刃桜がなくなり、開けた場所にいたのは、2人だった。
それも、石切が2人。
「そんなバカな!? 双子でもいたのか?」
『違うよ秋夜君。これが私の本気』
2人の石切の声が重なる。
そう、これからが本当の死闘の始まり…!