ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SURVIVAL GAME 能力当てクイズ開催w ( No.216 )
- 日時: 2010/07/27 21:41
- 名前: いち ◆ovUOluMwX2 (ID: PmZsycN0)
STAGEⅨ 「秋夜の進化」
『……読めたって、どういうことかな?』
「文字通りさ、俺はお前の能力を見破った、といったん、だっ!!」
俺は石切の剣をはじき返した。
そして後ろへ飛んで距離をとる。
『へえ? なら早速教えてほしいな?』
「単刀直入に言おう。お前の能力は、鏡。いや、正確には鏡のような写し身って言った方がいいかな?」
石切は表情1つ変えない。
『……それで?』
「お前の能力に気付いた理由は大きく分けて2つ。1つは、お前の動き出すタイミングは絶対に同時だということ。もう1つはお前らが左右に分かれて移動したことだ」
『……』
「ここまで分かれば後は簡単だ。姿形はそっくりだけどあべこべなもの…つまり、鏡だ」
石切の表情はまだ動かない。
だが、やがて何かをこらえるようにうずくまり、小刻みに肩を上下させる。
そして—
『あははははははははははははは!!!』
「…あ?」
石切は、突然狂ったように笑い出した。
『よく気付いたね、秋夜君! まさかこんなにあっさりたどり着くとは思わなかったよ!!』
「……そりゃどうも」
『ふふふ、でもね秋夜君、肝心なこと忘れてないかなぁ…?』
「肝心なこと?」
『私の能力が分かっても、その対処方法が分からないんゃ、どうしようもなくない?』
「対処方法? そんなの簡単だ、お前らはどうやっても一箇所にしか攻撃できないんだ。普通にかわせばいいだろ?」
『……!!』
そこで初めて石切の顔がゆがむ。
『…へえ、じゃあどうやって、私に攻撃するのかな!? ねえ、答えてよ秋夜君! 早く早く早く早く早くッ!!!!!! できないでしょ、できるはずないもんね!? だって私は秋夜君の攻撃は全て跳ね返したモンね!?』
完全に石切は怒りで壊れてしまったようだ。
こんなヤツと仲間だったと思うと、ぞっとする。
「そこんとこも、ちゃんと考えたさ」
『はあああああああ!?』
「なんだよ、びっくりしたか?」
『ふざけんな調子ノンなよてめええええ!! やれるもんならやって—
「刃桜」
『ああ!? またそれかよ!?』
「お前を解き放とう、刃桜」
『あ!?』
「この世の理を覆せし桜よ、今こそ吹き荒れるとき—」
『な、何をするの…?』
刃桜が、ぐるぐると回りだす。
「華のように舞い、嵐のように切り裂く—」
『秋夜君? 何をするの!?』
「故に、この技をこう呼ぼう—」
『人の話を—
「華嵐」
ゴオオオオオオオオオオオ!!
『な、なんなんだこれは…ひいっ!』
石切は森の向こうへと逃げ出した。
「無駄だ」
華嵐はどんどん大きくなり、
『あああああああああああ!?』
石切を、飲み込んだ。
「勝った……」
終わったと感じたとき、急に眠くなった。
ああ、俺は……勝った…勝ったん…だ……
人数が1人減ったアラームの音を最後に、俺は深い眠りに落ちた。
「ふん!」
「うわあああああ!!」
私は目の前の男を切り裂いた。
これで、あとは94人。
私はそれに何も感じない。
ただ、殺すのみ。
30人になる、その瞬間まで—
だが、今回はおかしな指令も付け加えられている。
可能な限り、遠野秋夜という少年を狙えと…
一体この少年が何者なのかは知らない。
だが、狙えといわれた以上、ただ狙うのみ。
私は、刹那。一瞬の時に生きるもの。
この身が滅びようとも、遠野秋夜を排除する…!!
残り94人