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Re: SURVIVAL GAME 能力当てクイズ開催w ( No.225 )
日時: 2010/08/02 10:09
名前: いち ◆ovUOluMwX2 (ID: PmZsycN0)

SIDE STORY① 「私に出来ること」

「くっ……」

ミーナは、レイピアと機関銃を捨てた。

「よしよし、いい子だ、なっ!!」

「うっ!」

ミーナが男に殴り飛ばされる。

レイピアも一緒に飛んでいく。

「はっはっはっはっは!! あんたからは色々聞きたいことがあるんだ。俺たちのアジトでゆっくり話を聞かせてもらうぜ。—おい!」

「はっ!」

男に命令されて、覆面をかぶった男がミーナを引きずっていく。

「ミーナ……!」

「真理奈。私の心配はしなくていいから……あなた、彼女だけは逃がして、お願い」

ミーナは男に頭を下げた。

「へっへっへっへ。いいだろう。どうせ役立たずだからな」

男は私の腕をつかんでいた男に私を放すように命じると、ミーナをつれてどこかへ行ってしまった。

「ミーナ…」

「おい、こっちへ来い」

私の腕をつかんでいた男は、なぜか私をそのまま引っ張っていった。

「ちょっと、何する気!?」

「放してやるのさ」

男はそれだけ言うと、私をどんどん引きずっていく。

やがて、森のだいぶ奥深くに来たところで、私を突き飛ばした。

「ここがお前の墓場だ」

「え……!?」

そんな、私、殺されるの…?

「俺たちの間の隠語ってやつでな…放せは殺せを意味するんだ。悪く思うなよ」

そういうと男は銃を私に向けた。

私、このまま終わっちゃうの?

必ず、1週間後に会うって約束は?

ミーナを助けなくていいの?

私、このまま役立たずでいいの?






—いやだ。

このまま終らせてたまるもんですか!

私は思いっきり横にとんだ。

「!? 何のマネだ!!」

男は発砲するも、私には当たらない。

何とか木の陰に隠れることに成功する。

「くそったれ! あのアマぁ……!!」

手当たり次第に撃っているみたいだけど、そんなの当たるはずもない。

逆に、私は自分の銃を取り出すと、男の足を狙い、撃った。

「ぐああああっ!!」

見事に命中した。

男が倒れる。

私はすかさず男の傍に走り、男から銃を奪う。

「てめえ……足を撃ちやがって…!!」

「黙って! アジトの場所を教えなさい!」

「ケッ…! 誰が教えるか!」

私は無言で男の足をもう一発撃った。

「ぎゃああああ!?」

男がのた打ち回る。

「教えなさい。次は頭に撃つわよ」

「ひいい! すいません! すいません! 命だけは助けてください! 教えますから!」

「早く!」

私は声を荒げていった。

「アジトは……ここから、北へまっすぐ行ったところににあります…」

「北はどっち?」

「あ、あっち……」

私は男が指差した方向を確認すると、

「ありがとう、お礼に一発くれてやるわ」

「! そ、そりゃない—

ズドン

私は男の頭を撃つと、もう返事をしないのを分かっていった。

「あなたは、助けてくれって言った人を1人でも助けたことがあるの?」

それだけ言い放ち、北へまっすぐ走る。






参ったことに、アジトには30人ほど敵がいた。

でも、いくしかない……!

私は気付かれないように、アジトに忍び込もうとしたが—

「おい! 何やってる!?」

外にも見張りが—

私は仕方なく見張りを撃った。

「うぐあっ……」

見張りは倒したけど、その代わりにアジトにいる連中にも気付かれてしまった。

「あっちで銃声がしたぞ!」

「侵入者だ! ぶっ殺せ!!」

足音が近づいてくる。

まだだ…まだ諦めるわけには…!!

私は木に登り、アジトの屋根に飛び移る。

小さいころはよく友達とこういう遊びをしたから、これくらいはなんともない。

私はなんとか誰にも気付かれずに、アジトに入り込むことに成功する。

ミーナはどこだ……?

屋根から見渡すと、人質小屋と書かれている大き目の小屋を見つけた。

あそこだ…!

私は屋根から飛び降りると、人質小屋に走りこむ。

すると、中には牢屋があり、そしてそこに—

「ミーナ!」

「真理奈!?」

ミーナが驚いた顔をして、私を見つめる。

「助けに来たよ! 一緒に逃げよ?」

だが、ミーナは—

「ダメだ! 早く逃げろ! 無茶だ!!」

私に向かって叫んだ。



「もう遅い!!」

「!?」

人質小屋に、リーダーの男と10人ほどの男がやってきた。

「たった1人でここまで来た事はほめてやろう。だが、いささか無謀すぎたな…」

「うるさい! 私は仲間を助けに来たんだ!」

私はリーダーに銃を向ける。

「口には気をつけな!」

突然横から出てきた男に銃を蹴り飛ばされる。

「しまった!」

「死ねや!!」

男がそのまま剣を振り上げる—!!

ダメだ……!!







ガキイン!!

「……?」

目を開けると、振り下ろされた剣は、見覚えのある別の剣に防がれていた。

「…何のつもりだ! 品川!!」

リーダーが叫ぶ。

確かに、目の前にいるのはリーダーの部下だったはずの覆面の男だ。

覆面の男は言った。

「品川? 俺は違うぜ…」

この声は—!!








「よく頑張った、真理奈」

「秋夜!!」

覆面を取ると、そこに現れた顔はまさしく、私の頼もしい仲間、遠野秋夜だった。