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Re: SURVIVAL GAME 重要なお知らせ ( No.263 )
日時: 2010/08/28 16:56
名前: いち ◆ovUOluMwX2 (ID: PmZsycN0)

STAGE ⅩⅠ 「加速する死」

ついに、マスターが動き出した。

3分に1人、この島にいる誰かが死ぬ。

次の犠牲者は、誰だ?

「……秋夜、どうする?」

鬼が、聞いてくる。

「…現時点では、対処のしようがない。あたらないことを祈るのみだ」

この第2ステージを、あっさり決める最悪の策を仕掛けられてしまった。

「でも、何かできることないのかよ?」

辻が悔しそうに言う。

ないわけじゃない。けど、この方法は…

「こっちから潰すしかない、よね…」

烈火が意を決して言った。

「まあ、それが妥当なセンだろうな。いくら仲間が必要だからといって、俺たちが死んじまっては意味がない」

天上天下唯我独尊が、冷静に指摘した。

「こうなったら、私たちだけでこのゲームの主催者を潰すぐらいの覚悟が必要かも」

ミーナも、仲間を集めることを諦めかけている。

だが、みんなの意見はもっともだ。今は生き残ることが最優先だ。

「よし、他の参加者を倒そう。なるべく弱いやつを狙ってくれ」

「もう、楽勝で勝てる相手はいないだろうけど…できる限り、がんばらなきゃ」

真理奈も銃を手に立ち上がった。

「よし、ここからは固まって行動しよう。行くぞ!」

俺たちは生き残るべく、走り出した。







『分かっているな、刹那。必ずこの第2ステージで遠野秋夜を落とすんだ』

「はい、必ず」

マスターから改めて指示をもらい、私は作戦に協力してもらう参加者と共に歩き出す。

「お姉ちゃんよ、なんたってマスターはその秋夜ってやつを狙うんだ?」

左目にセンサーを付けた男、風上影李が聞いてくる。

「私も知らない」

「へーへー、そうですかい」

風上は興味をなくしたようでそれきり口を開かなかった。

「風上さん。私たちは言われたとおりにやればいいんです」

風上の隣で歩いている白輝雷茄が、その態度を正す。

「へっ、雷茄ちゃんは誰にでも礼儀正しすぎるんだよ。第1ステージの時にもあの変態爆弾ヤローのときもだったよな」

「奇誤さんのことですか? 彼は確かに常人とは神経が違うとは思いましたけど…それほどひどくはなかったのでは?」

そこから風上と白輝は元チームメンバーの奇誤黛聖のことについて話し始めた。

奇誤は確か石切舞が始末したはずだ。

が、その後遠野秋夜に返り討ちにされてしまった。

変態というなら、あの女を超えるものはいないと思ったが、関係ないことなので何も言わなかった。

「急ぐぞ、あまり時間がない」

歩調を速めようとしたとき—






「えへへ……久しぶりぃ♪」

目の前に現れた、その人物は—








30分が立ち、残りは52人。

30人まであと22人、1時間ちょっとで第2ステージは終わる。

そのせいなのか、人の気配がない。

初めは300人近くいた参加者が、今や52人。

少しだけ、やるせない気分になった。

だが、今は感傷に浸るときではない。

「よし、急ごう」

そして、歩調を速めようとしたとき—







「えへへ、秋夜君久しぶり♪」

「なっ…………!」

「ちょっと待って。この人…!」

真理奈が訳が分からないといった顔をする。

俺も、訳が分からなかった。















そこにいたのは、確かに倒したはずの、石切舞だったから。