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Re: SURVIVAL GAME 重要なお知らせ ( No.266 )
日時: 2010/08/31 11:57
名前: いち ◆ovUOluMwX2 (ID: PmZsycN0)

STAGE ⅩⅡ 「動き出す陰謀」

「何でお前がここにいるんだ、石切」

俺は滅華を構えながら一歩前に出た。

「もう、相変わらず冷たいね〜? 別に戦うためにここに来たわけじゃないんだけど?」

「だったら狙いは何だ」

「ふふふっ…秋夜君に警告しに来たんだ」

「警告?」

石切はゆっくりと俺のほうへ近づいてくる。

「そう、警告。この間、私100人目の参加者の話をしたよね?」

「………それがどうした」

「その100人目ってさ、実はマスターが派遣した参加者なんだよね〜……狙いは、分かる?」

石切は、不気味な笑みを浮かべながらさらに近づいてくる。

「狙い?そんなの分かるわけ無いだろう」

「だよねえ……そいつの狙いは、秋夜君、君の命だよ」

「……!!」

そういい終えたとき、石切の姿が消える。

そして、どこからか声がした。

《気をつけたほうがいいよ、秋夜君? 1時間君は全力で100人目に追われることになる。死なないでね?》

それっきり、石切の声は聞こえてこなかった。








「どう思う、今の?」

鬼が俺に意見を求めてくる。

「嘘じゃないと思う。100人目はいるね」

「根拠は?」

「ない。けど、そう思ってて、警戒するのに越したことはない」

「まあね」

あれから、さらに33分が経過し、残り41人となった。

まだ、100人目はおろか、他の参加者すら見つからない。

「本当にいるのか? その100人目ってやつは」

辻が間延びした声で聞いてきた。

「さあ、分からない。だから余計に恐ろしい」

あと、33分。いや、時計がまた1人減ったことを示したから、あと30分。

果たして、100人目は現れるのか?

最大限の注意を払いながら、森の中を進んでいく。

いきなり、鬼が止まった。

「どうした?」

辻がたずねた。

「—誰か来る。ものすごい速さで」

「……!!」

全員が、いっせいに武器を構える。

「人数は3人………来るぞ!!」

そう言った瞬間、3つの影が俺たちに襲い掛かる。

「伏せろ!」

俺はそう言うと同時に、刃桜を展開させ、壁を作った。

金属がこすれあう音がした。

俺は素早く刃桜を展開して、視界を開く。

「誰だ!!」

鬼がそう言うと、3つの影は、こちらを向いた。





「おいおい、奇襲が防がれちまったぜ」

「まあ、最初からこれで仕留められるとも思ってはいませんでしたが」

「お前たちは遠野秋夜以外を片付けろ」





こいつらはまずい。

直感で、そう思った。

殺気が、今まで戦った奴らとはケタ違いだ。

「よう、遠野秋夜。あんたをぶっ殺しに来たぜ」

右にいる男がそう言った。

「秋夜、こいつは私に」

後ろで小さく、鬼が言った。

「まかせる」

俺が言うと、鬼はいきなり男に襲い掛かった。

姿勢を低くして、下から蹴りを入れた。

「のわっ!!」

男はあっという間に吹っ飛ばされた。

鬼はすかさずあとを追った。

その光景を、残る2人はじっと見ていたが、まるで同様もしていないようだ。

真ん中にいる女が言った。

「遠野秋夜。お前を殺しに来た」

「…お前が100人目か?」

「さあ。私の攻撃に耐え切ったら、教えてあげよう」

言うと同時に、俺に向かって跳んでくる。

武器は—双刀のようだ。

俺は女の下に滑り込み、、突進をかわした。

勢いをとめられなかったのか、女はそのまま森の奥のほうへ飛んでいった。

俺はその場に残ったみんなに指示を出す。

「俺はあの女を追う! お前たちでそいつをなんとかしてくれ!」

それだけ言って、俺は女が飛んだ方向へ走り始めた。















そして、第2ステージ最後の、死闘が始まる。

残り40人