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Re: SURVIVAL GAME 第2ステージ終了 ( No.284 )
日時: 2010/09/25 21:59
名前: いち ◆ovUOluMwX2 (ID: PmZsycN0)

STAGE Ⅰ 「絶望」

—ロストアイランド、コテージにて

第2ステージが終了したが、私たちは絶望的な雰囲気に陥っていた。

まず、私が戻ってきたとき、天やミーナたちが1人残らず倒されていたこと。

正直、あのメンバーでかかられたら私だって勝てやしないだろう。

それをいとも簡単に撃破している。

次の第3ステージでは、いよいよ死を覚悟しなければならないだろう。

しかし、何よりも絶望的だったのは、秋夜が死んでしまったことだ。

残った30人のうち、どこを見渡しても秋夜の姿がなかったときは、全員が絶望した。

秋夜を失ったことは、いうまでもなく危機だ。

彼の機転に何度助けられたことか。

だが、死んでしまった以上は何を言っても仕方ない。

みんなはそれぞれ秋夜の死を受け入れようと頑張っているだろう。

しかし、やはり悲しみから抜け出せないのもまた事実だった。

私は今、休憩場所として与えられたコテージで1人ロビーに出てきている。

すると、目の前を女が通りすぎていった。

「……あいつは」

小さくつぶやいたつもりだったが、女は気付いたらしく、こっちを振り向いた。

「…何か用でも?」

氷のようにつめたい目。

私が裏社会で何度となく見てきた目だ。

「…いや、何でも…」

「そう」

女は言ってしまった。

間違いない。あいつは第2ステージの最後で襲ってきた女だ。

時間的に考えて、秋夜を殺したのはあの女だ。

私はその姿をしっかり目に焼きつけ、復讐を誓った。

(秋夜…必ずあの女は私が…!)

だが、この女の恐ろしさをまだ私は知らなかった。







そのまましばらくロビーにいると、辻君が現れた。

「鬼、マスターが第3ステージの説明を始めるそうだ。来てくれ」

「ああ、分かった」

私は辻君の後につき、一階の大広間に行った。

そこには壁に大きなモニターが貼ってあり、画面にはMの仮面をつけた男、ゲームの主催者マスターが移っていた。

『やあ、諸君。第3ステージまで残りし勇者たちよ。まずは君たちにおめでとうと伝えたい』

もはや誰も、マスターの言葉に左右される者はいない。

『ここまで生き残っている時点で賞賛に値する。だが、ここからが本番だと思っててくれたまえ。第2ステージまでは弱きものをふるい落とすための準備運動に過ぎないのだ』

ずいぶんと乱暴なふるい落としもあったものだね。

自分が苦々しい顔をしているのが分かった。

『だが、第3ステージは弱き者をふるい落とすのではない。より強きものこそが生き残ることになるのだ』

「どういう意味だ…?」

「結局は生き残りのためだろ…」

ここまで残った参加者も、さすがに意味が分からなかったらしく、首をかしげている。

『それでは、ここからが確信をつく話だ。今回は、他の参加者を殺害することは禁止とする』

どういうことだろうか。全員が分けの分からないと言った顔をする。

『君たちには、今回助け合ってある強大な敵を倒してもらいたい』

「強大な敵…?」

『まずはこの映像を見てくれ』

すると、画面が切り替わった。

画面は4つに分割され、それぞれバケモノが写されていた。

左上が青い龍。右上が緑の亀。左下が赤い鳥。右下が白い虎。

これは……

一瞬、頭の中をよぎる予感。

それぞれのバケモノたちは森の中を徘徊しているようだ。

再び画面が切り替わり、マスターが話を続けた。

『これらはわれわれが長年の研究を重ねて開発した《四神》だ。それぞれ青龍、玄武、朱雀、白虎を模している。諸君らには協力してこの4体を全体撃破してもらいたい。4対を撃破して生き残っていたもの全員が次のステージへと進める』

これでようやく第3ステージの趣旨を理解できた。

『なお、四神はそれぞれ玉座という場所で宝玉を守っている。この宝玉を回収し、コテージの前に設立した箱に入れれば撃破と認めることにする。玉座の場所は後に地図を配るから、それで確認するように。以上だ。健闘を祈る』

言い終わると、画面は消えた。

もはや、参加者同士のつぶしあいというレベルは超えてしまった。

マスターは、本気で私たちをつぶしにかかったのだ。

参加者たちに、緊張が高まる。











だが、この時私は四神の恐ろしさを知らなかった。

残り30人