ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SURVIVAL GAME 第3ステージ突入!! ( No.302 )
- 日時: 2010/10/22 21:26
- 名前: いち ◆ovUOluMwX2 (ID: PmZsycN0)
- 参照: http://www.dejavu.jp/~webmaster/upbbs/users/test/img/1286535744.jpg
STAGE Ⅳ 「奥義」
〜前回までのあらすじ〜
第3ステージ、四神の一体、玄武と対戦した鬼、ミーナ、天上天下唯我独尊であったが、玄武の驚異的な回復能力に予想外の苦戦を強いられることになる。
それでも3人同時攻撃で玄武の頭を吹き飛ばし、無事に四神を倒した証である宝玉を手に入れ、あとは脱出するだけだと思われたが……
なんと、頭を吹き飛ばされたにも関わらず玄武は復活していた。
愕然とする3人だが、再び3人同時攻撃で玄武の頭を攻撃する。
しかし、今度は玄武の頭どころか、傷を負った様子すらない…
そして玄武の甲羅には、金色のヘビが出現していて…
「くそ、なんだあいつは…!!」
天が顔をゆがめてつぶやく。
突然玄武の甲羅に出てきた金色のヘビ。
間違いなくこいつが私達の攻撃を防いだ。
だが、どうやって? とてもヘビに何らかの防衛機能が備わっているようには見えない。
答えはすぐにわかった。
ヘビが動き出した。
鎌首をもたげ、まるで照準を合わせるかのように私達を見回している。
そして—
「危ないっ!!」
ヘビの口から炎弾のようなものが発射された。
私は双剣ではじき返し、天とミーナは横に転がってよけた。
炎弾の着弾地点を見ると、ゆっくりと炎が広がっている。
勢いは猛烈で、あたりは数分とかからず火の海となりそうな感じだ。
「なるほど…炎弾、正確には可燃性の液体の固まりか…」
「ガソリンによく似た液体に……リンが混ぜられてますね」
科学には詳しいミーナが素早く報告する。
ガソリンなら当然よく燃えるだろうし、それに低温でも発火するリンを混ぜたら着弾したと同時に摩擦熱やら何やらでたちまち炎弾の完成と言うわけだ。
「おそらくは…ガソリンにしろリンにしろ燃えやすいように特殊加工されているはず。内臓器官をいじったんだろうな」
天も攻撃の特性を把握できたようだね。
「よし、次はヘビを直接叩く。一直線だ。液体には気をつけて」
それだけ言うと私は真っ先に飛び出した。
すぐに2人も続く。
ヘビが次々と炎弾を放ってくるが、一度見せた攻撃が通用するほど私達は甘くない。
なんなくかわし、あっという間にヘビに迫る。
『はっ!!』
また3人同時に攻撃する—
「……何!?」
玄武は目にも留まらぬ速さで体を回転させ、何もない甲羅を向けてきた。
当然ながら、私達の攻撃は通らない。
ただ虚しく、甲羅にわずかな傷をつけただけだった。
そして甲羅を再び反転させ、ヘビが目の前に来る。
「しまっ…」
逃げようとする前に。私達全員に炎弾が叩き込まれた。
『うわああああああ!!!』
それぞれ木に叩きつけられて、気を失いかける。
ひとえに、気絶させないくらい痛みが強かっただけだ。
金色のヘビはすかさず次の炎弾を放とうとしてくる。
天とミーナはまだ立ち上がれていない。
「くそっ!!」
私は効かないと分かった上で、痛みをこらえながら突進していく。
炎弾を次々にはじき返し、ヘビに迫る。
だが、玄武はまたしても体を反転させて防御に徹した。
2人も何とか体勢を立て直せたみたいだったので、いったん退く。
「大丈夫かい?」
「なんとか大丈夫です」
「俺も」
2人ははっきりと返事した。
とはいえ、受けたダメージは相当のはずだ。
長期戦には持ち込めない。
だとすれば、一瞬でヘビの攻撃ごと玄武を吹き飛ばすしかない。
そんなことができるとすれば、あの方法しかないか…
私は意を決して2人に話しかけた。
「2人とも……よく聞いて。この状況を打破するためには、奥義を使うしかないと思う」
予想通り、2人は色をなした。
「ダメです! 奥義は師匠の反動が大きすぎます!!」
「ただでさえダメージ受けてるのに…正気か!?」
「でも、他に方法があるかい?」
私がすかさずそういうと、2人は黙った。
「私なら大丈夫。2人が世話してくれればなんとか治るさ」
務めて明るく言い、私は勢いをつけて立ち上がった。
「いくよ、2人とも」
私はあえて振り向かなかった。立ち上がってくれると信じていたから。
やがて、2人も立ち上がって言った。
『お世話代は高いですよ』
「あはははははははははは!! まとめて返すよ!!」
やっぱり、この2人は私の最高のパートナーだ。
こんな状況でさえ、楽しく思える。
ひとしきり笑い終えると、私達は揃って武器を捨てた。
「奥義黎明」
右手を天に掲げる。すると、地面に魔方陣が現れる。
『我らが知力、我らが武力、すべてをささげん』
『地獄の業火にて、全てを焼き払え』
『全てを破壊する鬼の名において』
辺りは真っ暗になり、玄武の周りにも魔方陣が出来始める。
私達は、心をひとつにして叫んだ。
『奥義—業炎焦土!!』