ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: SURVIVAL GAME オリキャラ募集!! ( No.37 )
- 日時: 2010/05/04 12:21
- 名前: いち ◆mBjthR0pMA (ID: PmZsycN0)
STAGE Ⅴ
「えへへ、やっと秋夜君をバラバラにできるんだあ、いい悲鳴を聞かせてね♪」
どこまで陰険なんだ……
俺は日本刀を構えながら苦々しい顔をしている。
目の前にいる女、石切舞は、ナイフを持ってゆっくりと近づいてくる。
「ねえねえ、どこから切り刻んで欲しい? 腕? 足? それともいきなり首いっちゃう?」
「あんたが返り討ちにあって死ぬって選択肢もあるぜ」
俺ははき捨てるように言った。
「あっはははははははは!! おもしろーい…おもしろすぎて……狂っちゃうよおおー!!!」
いきなり石切はナイフを構えて突進してきた。
無駄な動作は一切無かった。
「…くっ!!」
横に転がることでギリギリかわした。
「……やるねえ? 次はかわせるかなあ!?」
俺に休む暇も与えず、石切は次々とナイフを振るってくる。
「……なんだこいつ…強い!!」
正直、今石切の攻撃をかわせているだけでも奇跡だ。
なんだか、この日本刀を持った時から、感覚が鋭くなっている気がする。
「あれえ?…当たらないなあ?」
実際、結構ギリギリなのだが、少しずつ、石切の攻撃の軌道が見えてきた。
やっぱり、この日本刀、ただの武器じゃないな、もしかしたら、辻のトリックスターと同じく、レアウエポンかもしれない。
「秋夜君…バラバラに…バラバラに、させてよおおおおおおおおおっ!!!!!!」
石切の渾身の突きが俺を襲う。
だが、それよりも早く、俺は日本刀を離して石切の腕をつかんでいた。
顔の前、3センチのところでナイフの切っ先が止まる。
「……な!?」
初めて、石切の顔に焦りが見えた。
その一瞬を逃さず、俺は、容赦なく石切に前蹴りを入れた。
「きゃあっ!?」
石切は俺の想像したよりはるか遠くまで吹き飛ばされた。
「身体能力が…上がっている?」
間違いなく、俺は進化している…
「あら、もう終わりですの? 口ほどにもありませんわね!」
ああもう、この如月さんって人、すっごいむかつく!!
大体短銃二丁は卑怯だっての!
でも、結果として、今、私はさえぎるものが何も無い状態で、如月さんに短銃を突きつけられているわけで…
要するに、絶体絶命?
「まあ、せめて苦しまずに逝かせてあげましょう…!」
最後まで、ホントにむかつく人だ。
こんな人に、絶対負けたくない…!
そう思うと同時に、体が動いていた。
「……なっ」
私は素早く立ち上がると、如月さんの両腕をつかんで押し倒す。
私はこう見えても、運動神経には自信あるんだからね!
そのまま、ごろごろ転がりながら、如月さんの手から短銃を叩き落とした。
「…なんて、野蛮な…!」
如月さんが歯軋りしながら言う。圧倒的優位を崩されたのがよほど悔しいと見たね。
「ふふん、油断するからだよ」
私は泥だらけの顔で、思いっきりニヤニヤしてやった。
「…ふん、下品な。まあ、いいですわ、私は小さいころから護身術も学んできたのですわ! 今こそその真髄を—はにゅっ!?
言い終わる前に、私は如月さんの顔にグーでパンチした。
「—私、前置き長い人も嫌い」
それだけ言って、如月さんに連続でパンチを入れる。
右、右、左、右、左、左、右!
「はにゃ〜……!」
かわいらしい顔は、今や見る影も無くなった。
「はっはっは。見たか!!」
I win!!!
「ほらほら、さっきまでの威勢はどうした!?」
黒瀬が赤き剣—デーモン・ソードを振り回しながら、迫ってくる。
っていうか、このネックレスどうやって使うの!?
このままだと、丸腰状態のままなんですけど!!
「お〜い、ひょっとしてそのネックレス使い方わかんなかったり?」
「…そんなとこだ!」
俺は走りながら答える。っていうか、こいつの武器何なの!?
威力がハンパねえ!!
さっきから、木とか倒れまくってるんですけど!?
「あ〜もう鬼ごっこ飽きたからさ…死ねよ、雑魚!」
黒瀬はジャンプして俺の前に着地、振り向きざまにデーモン・ソードを振る。
「おわっ!?」
俺はしりもちをついた。
「んじゃ、そういうわけで、サヨナラ〜!!」
そう言って黒瀬が最後の一撃を振り下ろす—!!
終わった。そう思った。
だが、終わらなかった。
「うわああっ!!」
悲鳴を上げたのは、俺ではなく、黒瀬のほうだ。
「え…?」
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
しかし、すぐに変化に気付く。
「星……!?」
そう、俺の周りに無数の星が渦巻いていた。
「な、なんだ?」
黒瀬が立ち上がる。
「何だか良くわからねえけど…黒瀬、仕切りなおしだ!!」
黒瀬はやや驚いた表情をしていたが、すぐに笑みが戻った。
「上等だ」
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