ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ─Unreality game─『開催』 ( No.1 )
日時: 2010/05/06 18:17
名前: 天魔 (ID: EWcIN/Ij)

1話 『プロローグ』

それは、突然の出来事だった。
テレビのチャンネルは一斉に変わり、一人の男が画面に映る。
男は髪をオールバックで整え、黒いスーツに赤いネクタイをしてスタイルの良い格好。
最初に画面を見たときはテレビ局側の事故だと思っていた。
しかし、男の一言でそれが違うと判断することになる。

『こんにちは。まずは、みなさんに信じてもらいましょう。』

男はそう言うと、指パッチンをする。
その瞬間、どこかで大きな轟音が聞こえて地鳴りが響く。
東京に住む中村真一は、マンション5階506号室のベランダから外を見る。
遠くに建ってあるはずの東京タワーがビル群に突っ込み倒れていた。
真一はその光景を見て言葉をなくす。
『皆さん、今からあなた方には逃げてもらいます。期間は5カ月。何をしても良い。』
真一は崩れているタワーからテレビに視線を戻す。
この男は何を言っているのだ?
どの疑問よりもそれが最初に頭に浮かぶ。
『最後まで逃げた方には、とても豪華な賞品を送ります。それではみなさん、頑張って逃げてください。』
男のその言葉を最後に、テレビの電源が強制的に切れた。


2012年 4月22日


俺はこの年、地球は滅びるんだと思っていた。
マヤ文明の予言がどうたらこうたら・・・。
とにかく、この年何かが起きるとは思っていたが、まさかこんなことが起きるなんて・・・・・・。
真一はその場にしゃがみ込み、呆然と電源が入っていないテレビを見つめる。

現在 正午0時00分00秒


Unreality game 開始_______