ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ─Unreality game─オリキャラ募集♪ ( No.10 )
日時: 2010/05/05 17:38
名前: 天魔 (ID: EWcIN/Ij)

2話 『逃亡生活の始まり』

真一は何をすればいいのか分からず、とりあえずベランダに出て外を確かめる。
向かいは10階建てのマンションが建っており、遠くでは東京タワーが倒れている。
この光景は信じられない。まるで、映画の世界に来たようだ。
「どうしよ・・・・そうだ!!」
真一は携帯を取り、とある人物に電話をかけ始めた。
『おい!!太志!!』
『おぉ!!真一、大変だ!!か、母さんが捕まったんだ!!』
真一の携帯の向こうで慌てているのは親友の木本太志。
彼は真一が東京に上京して、大学で知り合った最初の友達だ。
『慌てんな!!俺のとこ来れるか?』
『ふ、ふざけんな!!こんな時に行けるか・・・お、おい!!!と、父ちゃん!!!』
太志が父の名前を呼んだ瞬間に、携帯の遠くから悲鳴が聞こえた。
真一は呆然とし、携帯を思わず切ってしまった。
「や、やばいな・・・。」
真一は携帯とテーブルの上に置いてあったガムをポケットに詰め込むとすぐに玄関に向かう。
その時だった。

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

いきなりの悲鳴に真一は驚き、動きが止まる。
「やだぁぁ!!!!やめてぇぇぇ!!!!」
真一は玄関のドアを少し開き、外を覗う。
すると、隣に住む40前半の女性が全身真っ黒の服に足首まであるロングコートを着た謎の人間に捕まっていた。
謎の人間は顔をガスマスクで隠し、性別さえも分からない。
女性は必死にもがき、敵の体を突き飛ばした。
真一は息をのみ込みその光景に見とれている。
女性は敵を突き飛ばすと、急いでエレベーターに向かっていく。
しかし、すぐに敵は起き上がり、腰からとんでもない物を取り出した。
「死ね!!」
敵は拳銃を女性に向けると、躊躇なく女性の頭部を撃ち抜いた。
女性はその場にパタリと倒れると同時に、エレベーターが‘チン’という音をたて開いた。
「世話のかかる野郎だ。さて・・・」
敵は女性の遺体を放置したまま真一の506号室に向かってくる。
「嘘!!」
真一はドアを静かに閉めると、周りを見渡し頭をフル回転させた。
「どうする・・・どうする・・・・」
真一は周りを見渡すと、とりあえず自分の部屋に隠れた。
と同時に、ドアが壊れる音が響いた。
真一は部屋を見渡し隠れる場所を探す。
しかし、ベット以外はどこも隠れる場所がない。
「誰もいないのか・・・?」
敵は独り言を言いながらこちらに来る。
そして、真一の部屋のドアが開いた。
「・・・・ここは逃げたか。」
敵は誰もいないことを確認すると、部屋のドアを閉めた。

「あ、あぶねぇ〜・・・・」

真一はドアの陰に隠れ、どうにか窮地を通り過ぎた。
床にしゃがみ込むと、大きく深呼吸をした。
その時だった。

『次は、現在行われている謎の大会に密着したいと思います。』

真一が座った拍子に、床に置いてあったリモコンが勝手にテレビの電源を入れた。
「やばっ!!」
真一は大急ぎでテレビの電源を消す。
耳を澄まし、恐る恐る部屋のドアを開けた。
リビングに敵はいない。どうやら、敵はすでに家を出たようだった。
「よかっ・・・・」

「つかまえたぁ〜あ♪」

真一は後ろから首を掴まれ、そのまま壁にたたきつけられる。
10万円した液晶テレビの上に落下し、テレビは無残にも壊れた。
真一はすぐに体勢を戻すと、目の前には行ったはずの敵がいた。
近くで見るとかなり恐ろしい。
「さぁ〜てと、おとなしく・・・・」
「捕まるか!!」
真一は近くに置いてあったテーブルを足で蹴飛ばし、そのまま敵に命中させた。
しかし、敵は怯む間もなく腰から拳銃を取り出した。
「く、くそぉぉぉぉ!!!!!!!」
真一は引き金をひかれる前に、敵にタックルをしてそのまま揉み合いとなる。
「離れろ!!くそ餓鬼が!!!」
敵は声からして男のようだ。かなりの腕力がある。
しかし、真一も負けじと力を見せつけた。
「調子に乗るなぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
敵が真一の顔面を殴ると、真一はそのまま床に派手に倒れた。
敵は拳銃を握りなおし、銃口を真一に向ける。
「くたばれ!!!」
敵が引き金を引こうとしたその時!!!

「うぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

真一の左の視線から電話で話していた太志が現れ、そのまま敵に体当たりした。
「なっ!!」
太志の巨漢に敵の体は体勢を崩し、そのままベランダの外へと倒れ込む。
「太志!!」
「父ちゃんと母ちゃんの仇だぁぁぁ!!!!」
太志は叫びながら敵のガスマスクを剥ぎ取る。
すると、敵の正体は意外にも真一たちと同じ年齢の男だった。
真一も急いで2人に駆け寄ると、敵の素顔を見て唖然とする。
「へっへっへっへ・・・・。驚いたか?」
男は平然と言うと、持っていた拳銃を太志に向けた。
が、太志はすぐ様拳銃を取り上げて真一に渡した。
「太志、大丈夫か?」
「うん。俺でも・・・こんなことができるんだ・・・」
太志は敵から離れる。真一は拳銃を敵に向けていくつか質問した。
「おい!!これは一体なんだよ!!なんでこんなことを・・・」
「あ?・・・・知るかよ。俺らは大量の金をもらえるから・・・」
男が話し始めたその瞬間。

パシュ!!

男の頭部を一つの銃弾が貫き、そのまま死んでしまった。
2人は驚き、真一はふと向かいに建ってあるマンションを見た。
ちょうど5階の部屋から、敵がスナイパーライフルを持ってこちらを狙撃したのだ。
「に、逃げよう!!」
真一はそう言うと、太志と一緒に自宅から離れた。