ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ─Unreality game─2話うp ( No.12 )
- 日時: 2010/05/06 18:11
- 名前: 天魔 (ID: EWcIN/Ij)
3話 『カーチェイス』
自宅のマンションから駆け出した真一と太志は周りを見渡した。
色々な場所から悲鳴が聞こえ、銃声音が絶えず聞こえる。
「し、真一!!ここじゃ居場所が丸分かりだ!!」
「・・・よし。駐車場に俺の車がある!!」
2人はマンション下の駐車場に走り、真一の軽自動車に急いで乗り込んだ。
真一は大急ぎでエンジンをかけ、アクセルを踏んだ。
「ど、どこ行くの!?」
「とりあえず安全な場所!!」
「どこだよ!?」
「知るか!!」
車が動き出した瞬間だった。
物陰から突然先ほどと同じ敵が現れた。しかも今度は3体。
2人は目を丸くして驚く。
しかし、道は敵3人が塞いでいる場所以外ない。
「突っ込むぞ!!」
「嘘ぉぉぉぉ!?」
真一は右足に力を込め、一気にアクセルを踏み時速100キロを超えた。
敵3人はボンネットに正面衝突し、そのまま後ろに流れていく。
だが、残りの一人がフロントガラスの淵にしがみついて中々離れない。
「う、うわぁぁぁぁ!!!」
太志は目の前の敵に恐怖を感じ、すぐ様後部座席に移動する。
「くそ!!太志、何かに掴まっとけ!!」
真一はそう言うと、そのまま車道に飛び出して走行させる。
しかし、敵もかなり粘って手を離さない。
さらに、敵が身につけているロングコートのせいで全然前が見えないのだ。
「前が見えねぇんだよ!!」
真一は出鱈目にハンドルを操作し、後部座席に座る太志は左右上下に激しく動く。
「あ、安全運転しろよ!!」
「うるさい!!」
真一は右の角を曲がり、渋谷109の交差点に出た。
すると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。
真一は一瞬運転を忘れ、外の光景に呆然とする。
「そんな・・・・」
ガスマスクに黒ずくめの敵が一般市民を追いかけている。
それも、かなりの量だ。見たことのない光景に呆然としてしまう。
「運転!!」
太志の声で真一は我に返る。
逃げ惑う市民と追う敵が走りまわっている車道を猛スピードで走りきる。
何かぶつかる音がするが一々気にしてる場合ではない。
「もういい!!このまま突っ込むぞ!!」
「何に!?」
「知らん!!!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
太志は叫びながら、座席にしがみつく。
真一もアクセルを精一杯踏み、スピードが180キロを超えた。
その時!!!
ガシャァァァァァァン!!!!!!!!
車が轟音をあげてコンビニ店内に突っ込んだ。
敵はそれと同時にガラスが全身に刺さり、そのまま店内へと車のフロントから転げ落ちた。
真一はハンドルに頭をぶつけてそのまま気絶。
太志も後頭部を強く打ち、2人は気絶してしまった。
**********
東京 渋谷109
どうにか敵から逃げ伸びた嘉神雅焔は、亜麻色の長髪を靡かせ物陰で休んでいた。
すると、どこからか轟音が聞こえて雅焔は驚いて思わず立ち上がった。
「な、何!?」
雅焔は物陰から顔を出すと、近くにあるコンビニに車が突っ込んでいるのが見えた。
「大変だ!!」
雅焔は隠れながらコンビニに近づく。
コンビニの窓はすべて割れ、店内は完全にめちゃくちゃな状態だ。
そんな店内を歩き、雅焔は車に近づいた。
雅宴が車を覗くと、車内には気絶した真一と太志がいた。
「大変だ!!助けないと・・・・」
雅宴がドアを開くと、先ほどの轟音を聞きつけて2人の女性が入ってきた。
スタイルが良く、目がクリクリした咲山鈴奈と渡辺真奈は大慌てで雅宴に駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
「手伝ってくれ!!中に人がいるんだ!!」
真奈と鈴奈は車内を見ると思わず声をあげて驚いた。
「ちょ、中村君に木本君!?」
二人を顔を合わせて驚く。雅焔は首を傾げて2人を見ていた。
「友達ですか?」
「同じ大学です!!助けないと!!」
3人は車から2人を助けだすと、一旦その場から離れた。