ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ─Unreality game─オリキャラ募集中♪ ( No.15 )
日時: 2010/05/08 19:09
名前: 天魔 (ID: EWcIN/Ij)

4話 『ミスターⅩ』
 
現在建設中 東京スカイツリー 50階

東京全体を見渡せる50階に、スーツを着た男が立っていた。
男は窓から東京を見下ろし、ニヤニヤと笑っている。
「ミスターⅩ。今の時点で約1万人の参加者を捕獲しました。それと、さっそく裏切ったグリップスの近藤治を射殺しました。」
ガスマスクを外したグリップスはミスターⅩと呼ばれる男に言った。
髪をオールバックで整えてスタイルの良いミスターⅩはその言葉に不満を見せる。
「裏切り者か・・・。まあいい。それは、グリップスを仕切る隊長の君によろしく頼むよ。」
ミスターⅩがそう言うと、グリップスの隊長は深々と頭を下げた。
「それと、警察の動きは止めれたか?」
「はい。ゲーム開始時に約400人のグリップスが東京県警を襲撃し、完全に機能停止の状態です。」
隊長の言葉にミスターⅩは笑顔で頷く。
「ほかに何かあったか?」
「特には何も・・・。あっ!そう言えば、先ほど無線で渋谷区で事故があったと・・・」
隊長の言葉にミスターⅩは首を傾げて復唱した。
「事故?」
「はい。どうやらグリップスから逃げる際にコンビニに突っ込み、再び逃げたと連絡が・・・」
「ふ〜ん。」
ミスターⅩはその情報でなぜか上機嫌になる。
「結構、粘る人もいるね。今後が楽しみだよ。」
ミスターⅩは隊長の方を振り向く。
隊長はガスマスクを装着すると、敬礼をしてその場を後にした。

**********

渋谷109から離れた某ビル

気絶した真一と太志を運んだ雅焔と鈴奈、真奈の3人は無人と化したビル3階に隠れ休んでいた。
ビル内はオフィスとなっており、デスク等が無残に置かれっ放しである。
さらに、床には書類やファイルなどの資料が大量に落ちていた。
「2人とも、中々目を覚まさないな。」
雅焔が言うと、2人も心配そうに頷いた。
真奈は気絶している真一の傍に来ると、頭から流れている血を持っていたハンカチで拭きとる。
「それにしても、このゲームは一体なんだよ・・・」
雅焔の言葉に鈴奈や真奈、気絶している2人もそう思っているだろう。
突然始まったこのゲーム。逃げる期間は5カ月。
理由不明、目的不明、奇怪で不思議な謎のゲーム。
「パパにママ、大丈夫かな・・・」
鈴奈がふと、そうつぶやくと残りの二人も両親の顔を思い浮かべた。
3人とも大学で昼食を食べている最中に始まったため、両親がどのような状態かまったく分からない。
鈴奈は涙を流し、泣き始める。
と同時に、気絶していた2人が目を覚ました。
「うっ・・・・ここは・・・・は!!!」
真一は驚き、すぐさま飛び起きて周りを見渡した。
「どうなって・・・あれ?」
真一は大学が同じである真奈の顔を見ると、呆然と雅焔と鈴奈を見る。
「気絶したのを助けたの。あなた達、車でコンビニに突っ込んだんだよ。」
真奈の言葉で真一は気絶する前の記憶を思い出した。
太志は頭を抱えながらその言葉を聞くと、安堵の息を漏らした。
「とりあえず、助かったんだ・・・・」

「やばいぞ・・・」

真一と太志が安心した瞬間、雅焔が窓の外を見ながら言った。
「どうしたの?」
「敵だ。2人来る・・・。」
その言葉を聞いた真一と太志はニヤリと笑い、顔を合わせる。
そんな2人を見た雅焔たちは首を傾げた。
「返り討ちにするぞ。さっきのお返しだ。」
真一の言葉に3人も顔を合わせて頷く。
「そうだな。逃げてばかりじゃその内捕まる。」
「そうね・・・」
「うん!!」
真奈は元気よく返事をして頷いた。
「よし。倒すぞ!!」
5人は顔を合わせると、戦闘態勢に入る。



そして、この5人はこれからも協力し合うことになる______


だが、これから襲いかかる最大の脅威に______


5人はまだ気づいていなかった_______