ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 死ねば  い い の に …  ( No.77 )
日時: 2010/06/08 20:18
名前: mk ◆U/y1JW1WZk (ID: Ot.qag7u)
参照: http://kokuban.in/download/1274957297

      22話 
     「逆転」

 ——ッ!!!………

 
 ドサッと倒れた

 死んだと思った。私が…



   でも違う__  倒れたのは___


 「月野…さん……?」

 「ど…どう……して…」


 月野さんはそう言って無言になってしまった

 正確には『死んだ』というべきだろうか


 「私は    何もしてっ…」

 瑠璃は雫を刺していない
 でも雫は死んでしまった


 その理由はすぐにわかった


 雫が倒れるのと同時に雫の背中の方から人影__


  その人間の正体は_______


 「快斗…兄ちゃ……ん?」


 兄がいた。

 だがこの状況で動揺より先にきたのは『安心感』だった

 
 ——快斗兄ちゃんが来てくれた
 ——殺されずに済んだ

 
 「大丈夫か?瑠璃… つか久しぶりだな」

 快斗は笑いながら瑠璃の頭をなでた

 
 
       意外だった


 涙が止まらない
 
 笑いたいのに笑えない

 兄ちゃんが来てくれて嬉しい



 こんな気持ちにまだなることがあったんだ___


 「兄ちゃん…どうして...わかってたの?」

 落ち着いてきたので聞いてみた

 すると兄ちゃんは首をたてに振った


 「パソコンで見たんだ」

 「           え」


 衝撃的な発言だった

 じゃぁ___ それじゃあ…


 「私が…西柳中学校をやったこと…」

 「うん それも知ってる」


 でも兄は優しかった

 「そんなこと関係ないよ」


 そして快斗は気がついたように言った

 「…父さんと母さんは?」


 言葉が詰まった

 ——確かに直接殺したのは私じゃない
   けど…頼んだのは__

 「まさか… お前……」

 あぁ 兄ちゃんに殺されるのかなぁ…

 嬉しかったのに…


 両親、殺さなきゃよかった____


 「それでも関係ない__


      瑠璃が無事ならそれで——」

 兄ちゃんが言い終わる前に私は兄ちゃんに抱きついた

 本当に嬉しい 兄ちゃんっ___!!!

 「兄ちゃぁぁぁっん!!!」

 

     大好きだよ。

 こういうのを 兄妹愛… 違うか、

 人殺しの兄妹愛……っていうのかな__