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　　　　23話
　　「思い違い」

　お兄ちゃんも殺すつもりだった

　でもつもりだっただけで今は死んでほしくない



　—本当に兄ちゃんと住むのもいいかもしれない…

　瑠璃はある事に気付いた＿＿


　「も…もしかしてチャットでディラら…っていう…」

　「ん？何だそれ？俺はパソコンの友達から聞いただけだぞ」


　そ　そうだったんだ

　良かったような残念だったような…——



　——じゃ本当にディラらって誰なの!?

　くずはは嘘はつかない

　だから困るんだけど…


　「瑠璃、これからどうすんだ？」

　「…え」


　兄ちゃんと住みたいなんて言えるわけないじゃん＿＿

　
　「俺と住むか？」

　
　やっぱりわかってくれてる…

　だから…好きなんだ＿＿＿


　「うっ、うん!!」

　「じゃぁこの家に住むか」




　…え？

　兄ちゃん大学に言ってるんじゃ……——

　「俺、退学させられたし」


　「へー…　　　　　　……って…エエェェェ!?」

　「何かさ　色々あってよぉ…ま、気にすんな」



　—はっきり言ってものすごく気になるけど…

　兄ちゃんは準備してから来るらしい

　
　だから一旦兄ちゃんはアパートに戻って私は一人になった

　「……あのチャット…どうなったのかなぁ」


　とたんに思いついたことがものすごく気になった

　久しぶりのチャットだった



　——最近ずっと殺気立ちっぱなしだったからすっかり忘れてた…

　【ニコニコチャット*＊】

　くずは＞暇だよ〜しにがみぃ〜〜
　しにがみ＞黙れ、永遠に

　この2人はまだこのチャットルームにいた

　
　くずは＞りるさぁん結局どうなったんですか〜？

　
　…もう驚きもしない

　くずはは異常が普通なのだから——


　—りるさんが入室されました

　りる＞久しぶりですね

　くずは＞来た来た♪
　しにがみ＞お久〜

　性格も態度も裏切る前と何も変わらない＿＿

　そして1つの疑問をくずはになげかけた


　りる＞ディラらって誰ですか？

　
　もう直接聞こう　

　くずは＞まだ会ってないんですかぁ〜？
　くずは＞まぁ久々の出会いになりますからね
　くずは＞覚えてるかな？
　


　くずは＞品川　淳って…


　淳…　それって5年前の事じゃん＿＿

　いつからくずはは…



　本当に調子が狂うというか怖い———


　りる＞何で淳が出てくるんですか？

　くずは＞また近いうちに逢いますよ


　懐かしい…　　淳なんてすっかり忘れてた＿＿

　「別れた彼氏の事なんて…忘れてたなぁ…」