ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 阿修羅姫と鬼神。(オリキャラ募集中です!) ( No.18 )
- 日時: 2010/05/04 21:35
- 名前: 薔薇薔薇娘 ◆Mu2zZKM5c. (ID: F35/ckfZ)
第四話「空から降ってきた少女」
「…」
一人で拠って立つ地を得るための戦略を考えていた。影虎はもう寝ていて静かだった。
だが、今一つ集中できない。それもそのはず。この『城』の主が、自分の横で眠っているからである。
この『城』と呼ばれる小さいボロ屋敷は、本当に小さい。寝台を置いてしまえば、もう他の家具を置けない狭さだった。
「はぁ…」
半ば無理矢理同じ寝台で寝ることになった。…が、『寝ている間に殺されないだろうか』『寝ている間にこの城を燃やし、私だけを残して逃亡しないだろうか』…こんな悪い想像しかできない。
「…」
『外に出よう』と、気づかれないように、起こさないように慎重に寝台から去った。少しでも動くと『ギシィ…』と軋む音で、影虎が起きないか不安だった。
「これなら考えられます…」
夜である周りは静かで、暗い空がどこか安心できた。
この静かな場所で戦略を練ろう…と考えていたその時、
「うわぁっ!!お姉さんーっ!!」
『どいてーっ!!!』と言うつもりだったが、言う前にお姉さんの上にダイブ。
「…!?」
「痛てて…。お姉さん、大丈夫?」
「…はい」
それより、『貴方は誰?』『どこから来た?』『何故上から落ちてきた』と聞きたいことはたくさんあった。
「ねぇ、西暦何年?」
「285年ですが…」
「285!?嘘!?大昔!?」
お姉さんは黒地に金色の刺繍が映える綺麗な着物を着ていて、いかにもその時代の人って感じ。ただ、髪の色と目の色は僕が前いた世界でもありえなかった。
「…?」
なんと変わった方でしょう。桃色の袖が紐のような着物?着るもの?短い下の履物。(現在の言葉でいえばキャミソール、ホットパンツ)
「なんか特徴ある時代!?」
「…三国時代の終わり…。乱世が終わってから5年目です」
「三国…?三国…。三国ねぇ…」
なぁーんか聞いたことあるよな〜…。
「あぁ!三国志だ!!歴史で習った!!」
「…?」
本当に変わった方です。
「劉備、曹操、孫堅だ!!蜀、魏、呉だ!!」
「はぁ…」
劉備、曹操、孫堅、蜀、魏、呉なんて当たり前でしょう。
「えぇ!?これ三国時代!?」
「…」
変わった方に会う運が…。嬉しくありませんが。
「う〜…。どうやったら戻れるのかなぁ?」
「…貴女、何が会ってここに来たのです?」
「えっとねぇ…。なんか綺麗な光があったから触ってみようかな〜と思ったら、その光に飲み込まれてここに来ちゃった。トリップ?まさかね〜。そんな夢物語みたいなこと〜」
が、起きたんだけどね^^;
「まぁ…。ひとつ確定できるというのならば、野たれ死にますよ」
「ふぇっ!?」
優しそうなお姉さんの口から出たひっどーい言葉!「野たれ死ぬ」なんて…。
「今は冬です。そんな格好では風邪を引きます。というより、そんな服では防御ができません。流れ矢に当たって死にますよ」
「ひぇ…。お姉さん、お願い助けて!!」
うわぁ、なんか昔の武将みたい…。こんな体験するのは僕だけだよ。絶対に。
「…。とりあえず、その服より頑丈な服は差し上げます。あとはどこかに降伏して生き延びて下さい」
「冷たい!無理だよ!!どこに何があるのか知らない!!」
「…煩いぞ」
「うわぁっ!!∑」
目の前に2mはある巨人が立っていた。
「ん…?何だ、貴様?どこの輩だ?」
妙な着物を着た奴だな。
「ひぃぃ…」
目つきワル…。顔コワっ…。デカ…。
「…」
面倒な二人が揃いました…。
彼の方は寝起きで、さらに人相が悪いですね。
「おい、美麗」
「はい?」
「誰だ、コイツは?」
「さぁ…」
「『さぁ…』って!!」
殺されちゃうかもじゃん!!