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Re: 阿修羅姫と鬼神。(オリキャラ募集中です!) ( No.31 )
日時: 2010/05/06 17:17
名前: 薔薇薔薇娘 ◆Mu2zZKM5c. (ID: F35/ckfZ)

第六話「強行突破!」

「ふん、防御態勢か……」
蛮浄寺なんとかの城の前に着くと、城門は固く閉ざされていた。
そして、愛馬・悪鬼から下りると、城門の前に立った。
「はあっ!!」
そして、かたーい城門を蹴りまくる。
「な……!?」
それで壊れると思っているのでしょうか……。
「おい。見てないで手伝え」
「はい……」
この方の行動は誰にも止められません。もう学びました。
そして、二人で城門を蹴りまくったが、壊れるわけもなく、開けてもらえるわけもなく、ただ時間だけが過ぎた。
「くっ、開けんな……」
今更解ったのか悔しそうに呟く。
「……当然です」
城の周りに生えている背の高い木々を、得物で切り倒す。
「何をしている?」
「梯子です。手伝って下さい」
釘もトンカチもないので、木を切ってそれを草で結び付けるだけの脆いものだった。
「壊れんのか?」
「迅速に行動すればすぐに壊れるものではありません」
「ほう……」
最初から美麗がいれば、いつも城門を叩き壊さんで済んだのにな。
そして、渾身の梯子を城の壁につける。
「行くぞ!!」
「了解」
そして、急いで梯子を上った。そこから、何と飛び降りる。足を挫くかもしれない大変危険なことであるため、鬼神と阿修羅姫しか行えないだろう。
「うわぁ!? うっ、上から敵がー!!!」
長身で黒い禍々しい鎧を身に纏う二人の殺気を見ただけで、逃げて行った。
「逃げろー!!」
「ふん、もう終わりか……」
すべての兵士が逃げ、城内北詰所は労せずに手に入れることができた。
「くそっ! にっ、逃げるな!! 戦え!!」
そして城内東詰所。ここは、拠点兵長が逃げずに戦うことを命じたため、戦って制圧することにした。
「なんて手応えのない」
兵士たちはどうにか戦っているものの、防一線で逃げ腰だった。
「その状態で戦うつもりか!?戦う気のない雑魚は失せろ!!!」
影虎の咆哮で、城内東詰所の敵はほぼ逃げた。
そして、他の詰所でも咆哮だけで兵を撤退させると、総大将である蛮浄寺 上寿がいる蛮浄軍本陣に到着した。

「各軍、射撃準備」
蛮浄寺の聞きやすい声での指示が本陣に通る。
そして、本陣の全員が一斉に矢を番えた。
「ちっ……」
そして、美麗と影虎の二人は背中合わせになった。無防備な背後を狙われないようにして、矢は全部武器で弾き返すつもりだった。
「得物で弾き返します。貴方ならば容易いでしょう」
「当然だ!」
と言っても、矢はかなりの速さで飛んでくる。この大勢の矢を全部弾き返すのは相当の者でなければ難しかった。
「放て!!」
その合図で、構えられた矢が一斉に飛んでくる。
「「!」」
二人はそれに素早く反応し、武器と矢をぶつけ、矢を下に落として行った。
その矢は、二人に刺さること無くすべて下に落ちた。
「ちっ!」
なんと、蛮浄軍はすべての矢を使ってしまった。
「行くぞっ!!」
「はい」
二人は、総大将だけを狙いに行った。だが、そう簡単にいくわけもなく、副将などから邪魔される。
「雑魚は私が」
美麗が雑魚掃討を引き受けると、影虎と上寿の総大将一騎打ち状態になった。
「やっ、はっ!」
影虎様に教えてもらった右手の動かし方で、攻撃の手数はかなり増えた。
「……」
これも、あの方のおかげなのですね。感謝しなければ……。と、美麗は感謝など柄にもないことを思った。
「はっ、たぁっ!!」
接近戦に持ち込まれては、上寿は一気に不利になる。
「うっ!」
影虎の戟が、上寿の腕に命中する。痛みを耐え、矢先に毒を塗った矢を、心臓めがけて放つ。これが外れれば、蛮浄軍の敗北は決まったようなものだった。
「甘いわ!!」
蛮浄軍の望みも空しく、影虎はそれを武器で弾き返した。
「止めだ!!」
そして、戟の一突きが決まった。
「うわあぁぁっ!!」
上寿は、致命傷を受けた。