ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 阿修羅姫と鬼神。(オリキャラ募集中です!) ( No.42 )
- 日時: 2010/05/09 08:34
- 名前: 薔薇薔薇娘 ◆Mu2zZKM5c. (ID: F35/ckfZ)
第壱拾壱話「阿修羅姫と鬼神がもたらした悲劇」
『1週間経ったって何も変わらねぇ……。美麗が、生きてんのか……』
1週間経ったのに、暮らしが変わらないということで、村人は美麗の生き埋めを決行すべく、美麗がいる部屋へ向かう。
『美麗、今日の飯と着替え……』
『影虎か……? ここで何をしている……?』
お前か、美麗を今まで生かしてきたのは……。
『父上!!』
バレた……。もう決意するしかないのか……?
『……!』
私が殺されるのは構いません。ですが、影虎様は……。
『影虎!? お前のせいか!?』
『ちっ……』
『影虎、美麗!! お前達のせいで何人の村人が死んだと思ってやがる!? 二人して生き埋めだ!!』
縄で美麗と影虎を縛ろうとする。
『美麗、逃げろ!!』
さっき縄で縛ろうとした奴を殴り飛ばすと、美麗を逃がそうとする。
『簡単に逃がすか!!』
『離して下さい!』
『……父上、俺は決意している。美麗とこの世を生きるためなら、この村も、父上も要らん。美麗を殺そうとするなら、俺が殺す』
まだ14歳の影虎には、14歳とは思えない決意と、14歳とは思えない殺気を身に纏っていた。
『生き埋めはどうでもいい!! この二人を捕え次第殺せ!!』
村長である影虎の父の声が響く。
『行くぞ!! 美麗、俺の傍を離れるな!!』
『はい!』
そして、多勢に無勢の戦いが始まる。影虎はいくら強くても、この村人1000人近くを一人で倒す体力はまだなかった。しかも、美麗を守りながらでは本来の力を発揮できるわけもなかった。
『皆、一斉にかかれー!!』
『やっ! はぁっ!!』
攻撃しながらも、美麗を気にしなければならない。まだ幼かった影虎には、難しかった。
『ぐっ!!』
誰かの攻撃が、影虎の右腕に命中した。
影虎は、地面に倒れこむ。
『影虎様っ!!』
『よし、これでしばらく影虎は動けん! 美麗を狙え!!』
『……。影虎様を傷つけるなど、許しません……』
独り言のように呟くと、両手を広げた。
『なっ!? 何だ!!?』
『覚悟なさって下さい』
着物には、薔薇の絵柄が描かれていて、両手を広げたとき、その薔薇が飛んだ。そして、燃える……。燃える、燃える。鮮やかに燃える。
そして、いとも簡単に一つの村を滅ぼした……。