ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 阿修羅姫と鬼神。(オリキャラ募集中です!) ( No.45 )
- 日時: 2010/05/09 14:26
- 名前: 薔薇薔薇娘 ◆Mu2zZKM5c. (ID: F35/ckfZ)
第壱拾弐話「優しい村」
『っ……』
『影虎様……。大丈夫ですか……?』
『!? これは……』
燃えていた。誰かが火計したのかもしれない。
『……火計です』
『大丈夫か?』
『はい。それに、この火計……。私がした物ですから』
『どうやって火計を学んだ?』
さっき受けた右腕の傷は、美麗が包帯を巻いてくれていた。
『秘密です』
『なんだ、それは……』
村は燃え、人は死に、血は流れ……。この状況で穏やかに笑っている2人はかなり恐ろしかった。
ピーッ!!!
影虎が口笛を吹くと、真っ黒な影虎の愛馬・悪鬼がめまぐるしい速さで駆けてきた。
『とりあえず、どこかに身を置くぞ』
『はい』
影虎の膝の上に乗った。
『飛ばすぞ! 落ちるなよ!!』
『はい』
美麗の返事を聴いてから、馬に手綱をたたきつける。
だが、そう簡単に阿修羅姫と鬼神を受け入れてくれる村はなかった。
『ちっ、なぜ受け入れん……』
『何故でしょう……』
戦に出れば問題なく活躍しますのにね。など、家がない状態でも結構ゆっくりしていた。
『おい、お前達。そこで何をしている?』
ある村の近くだったので、その村の子供だろうと思っていた。
『貴方はこの村の人ですか? お名前を……。聞かせていただけますか?』
『修羅だ。金田 修羅』
『金田 修羅様ですか。貴方の村は、私達を受け入れて下さるかしら?』
『我は構わん。が、村人の意見も聞かなければならん』
『村人も承認して下さったら、受け入れて下さいます?』
『勿論だ』
『母よ、こういうことだ。この2人を受け入れてくれぬか?』
『まぁ……。幼いのに家を失ってかわいそうに。どうぞ、ゆっくりしていきなさい。ずっとここにいたって構わないわ』
この村は、影虎や美麗がいた村とはかなり離れていて、鬼神と阿修羅姫の噂さえ流れていなかった。
『感謝します』
『いいのよ』
そして、空き家を二人の家にしてくれた。
『ふっ、いつまでバレんか……』
『まぁ、いずれか追い出されることでしょう』
いつのことでしょうね、何て呑気に会話する。落ち着きがあるのか馬鹿なのか…。