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Re: 阿修羅姫と鬼神。(オリキャラ募集中です!) ( No.6 )
日時: 2010/05/03 08:08
名前: 薔薇薔薇娘 ◆Mu2zZKM5c. (ID: F35/ckfZ)

第壱話「阿修羅姫」

「…」
何かが起きている。目も塞がれ、口も塞がれ、耳もふさがれ、手足は縛られ…。身動きが一切とれない状態だが、周りの雰囲気がいつもと違う。これは、絶対に何かが起きた。
「ここか!?阿修羅姫は!!?」
「…」
耳を塞がれていても聞こえる男の声。低くて大きな声だった。
そして、けたたましい音が轟き、屋敷一大きな扉は破られた。

「貴様か?阿修羅姫は…」
部屋の中は、金色の華やかな花。所々に散らばる金色の骨や頭蓋骨。血が滲んだ窓、床。部屋の中を照らすのは100本を超えている蝋燭。そして、身動きが一切とれない状態の、阿修羅姫と思われる女…。
どこか神秘的な雰囲気があって、謎に包まれたような…。そして、恐ろしい雰囲気さえあった。
「…」
何も見えていないし、何も聞こえない。
「世話の焼ける奴だ…」
拘束具を解けということだろう?だいたい、何故こんなに縛りあげられる必要がある?そんなに暴れるのか、阿修羅姫は…。
「…」
手の拘束を解いてもらった。もうあとは自分でできる。…が、あの男がどれだけ怪力か解った。
阿修羅姫の力では、他の拘束を解くことができない。
「非力な娘だな」
そして、他の拘束も解いていった。
「…」
猿轡を外してもらえなければ喋れない。
「貴様、名を何という?」
「…美麗」
最後に猿轡を外してもらって、久々に喋った。
「奇妙な容姿とはこのことか…」
水色の髪、炎の中でも輝く妖艶な真紅の瞳。
「…」
久々に見る景色が、今まで暮らしてきた屋敷が燃えている風景ですか…。
「さぁ、行くぞ!!」
大声を上げたと思えば、美麗のその細い身体を軽々と抱き上げた。それも、お姫様だっこなんてロマンティックなものでなく、荷物のように肩に担ぐというロマンティックの欠片もない男らしい運び方だった。
「行くって、どこへ…」
「ここの雑魚を蹴散らして、俺の城へ向かう!!」
戦となると心が躍る。これ以上に楽しいものはないからな。