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Re: 死のチャット 〜悪い子はいませんか?〜 ( No.20 )
日時: 2010/05/06 16:44
名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: 9IfQbwg0)

第4話『決して、許されることはなくて』


次は、私の番。
つまり、私が殺される番……ってこと?

「アリス、なんで私の事、殺そうとしたりするの!?」

私がそう聞くと、アリスは笑いながら答えた。

「僕は貴方たちみたいな悪い子を、この世からなくすためにいるから、ですね」

悪い子……って、私がリリーを虐めたから?
それが原因で、殺されちゃうの?
こんなことになるんだったら、虐めなんてしなければよかった……。
私がそう思いながら泣いていると、アリスは舌舐めずりしながら言った。

「あなたは、どんな味がするんでしょうねぇ……? リンゴさん」

……味?
味、とはどういうことだろう?

「ナッツさんも、チョコさんも……とぉっても美味しかったですよ。貴方は、どうですかね?」

アリスは幸せそうにそう言った。
何、コイツ……。
まさか……、私の事、食べようと思ってるの!?
コイツ、絶対おかしい!
私はそう思って、部屋から出ようとした。

「逃げたりしちゃ、駄目じゃないですか……」

アリスがそういいながら、こっちに歩いてくる。
私はドアノブをひねり、ドアを引く。
が、なぜかドアが開かない!
私がドアを開けようとしていると、首に何か冷たいものが触れた。アリスの手だ。
アリスの手に、少しずつ力が入る。

「は、なしてっ!!」

私がそう言うと、アリスは困ったような顔をして、手に入れる力を強める。
苦しいッ……息ができない!
次の瞬間、体に激痛が走った。
体が、倒れてく。足に力が入らなくて、立てない。
アリスが、私の頭を踏みつける。私は痛くて、狂ったように泣き叫んだ。
私が最後に見たものは、アリスの目に映る、赤く染まった自分の姿。

「もし、生まれ変わったら……リリーさんに謝ったら?」

アリスがそう言って、狂ったように笑った。
体が、軽くなっていく。痛みも、もう感じない。
世界が、真っ暗になっていく……。
……最後に、これだけ、いっておこう。
多分、私の口はもう、使い物にならないけど……。

『ごめん、なさい—————……』