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Re: 死のチャット 〜悪い子はいませんか?〜 ( No.79 )
日時: 2010/05/23 19:34
名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: sD26PePp)

第14話『二人でショッピング?』


ファミリーレストランから出て、街を歩く。
街を歩くキクさんの顔は、とても楽しげだった。
……今から死のうというのに、何故そんなに楽しそうな顔をしているのだろう?
僕はそう思いながら、歩いてゆく。
僕が歩いていると、キクさんが突然立ち止まった。
キクさんの視線の先には、小物屋があった。

「……あの……」

僕が声をかけると、キクさんの体がビクリとはねた。

「は、はい……」

「……なにか、ほしいものでもあるんですか?」

私がそう聞くと、キクさんは黙り込んでしまった。
……そんな風に黙り込まなくてもいいのに。
僕はそう思いながら、キクさんに笑いかけた。

「……欲しい物があるのなら、買ってあげますよ?」

僕がそう言うと、キクさんはとてもびっくりしていたようで、その場で硬直してしまった。
……僕、なんか、変なことを言いましたかね?
僕がそう思っていると、キクさんが口を開いた。

「そ、そんな……悪いですよ。相談にのってもらう上に……物を買ってもらうだなんて」

キクさんは、うつむきながらそう言う。
……別に、いいんですけどね。
僕がやりたくてやってることなんだから……。

「……じゃあ、ほしい物があったら、買わせてください。ね?」

僕がそう言って微笑むと、キクさんは顔を少し赤くし、申し訳がなさそうな顔でうなずいた。