ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 日に日に腐っていく少女 ( No.2 )
日時: 2010/05/04 11:25
名前: ぽぽ ◆kyxIVYriXY (ID: 5Yz4IUWQ)

#2

「おはよっみるくっっ」
「よっ」
「おはよぉっ!今日も2人はイチャラブ登校ですかぁっ」
「からかわないでよ〜っ」

梨恵(りえ)と亜紀。2人は恋人同士。
超仲良くて、なんでも幼稚園の頃からの付き合いだとか。
こんな冷やかし、いつものこと。あっちも気にしてないしね。

「亜紀ぃ、頼みがあるんだけど、」
「ん??」
「「宿題見せて」」

見事にハモった。
私と梨恵と亜紀は同じクラス。6クラスもあるのに、奇跡に近いよね??

「お前らは…。変わんねぇな。」
「あはは、どいたしまして」

私と亜紀の短い会話を、梨恵は恨めしそうに見ていた。やばいやばい。

「んじゃあ私は先に行くよっ。後ほど教室で!」

と、回れ右をして校舎の方へ向かおうとしたその時だった。
急に親指に鋭い痛みが走った。

「あ…っ」

短い悲鳴をあげて、地面に膝をついた。

「みるく?!ど、どしたのっ??」

梨恵と亜紀が駆け寄ってくれた。2人に腕を掴まれて、立たされた。
梨恵が服に付いた砂をはらってくれる。

「大丈夫かよ??」
「あ…うん。ありがとっ」

少しはにかんだ笑顔を見せた。
親指は、先ほどの痛みほどではないが、ずきんずきんと微妙な痛みを私に与えてくる。

「本当に大丈夫??まだ痛い??保健室行く??念のため早退しとく??病院行って午後から来る??家の人に電話しよっか??」

人一倍神経質で心配性の梨恵は、オロオロしながら私にいくつもの選択肢を与えてきた。
だけど私は、違う選択を出した。

「このまま登校するっ」

「みるく…。無理しないでね」
「うん、もー平気」

私は、途中梨恵に何度も「やっぱり帰ったほうが…」とか、「本当に平気なの??」とかの声を掛けられながらも、教室へ向かった。

親指の痛みは、少し和らいでいた。