→第1章 >1話 笑顔と痛み冷たい畳の感触。指に触れた花弁の感触。全てが、私になる。「・・・できた。」花瓶に立つ凛とした華。「いいじゃん、それ。」よく通る、涼しい声。振り向くと、そこには宮国嶺の姿があった。「あ、先輩。こんにちは。」「ん、こんにちは。」そういって、華道部の部長は微笑む。華のように雅な笑顔で。そして、陽沙の心は痛む。華のように甘やかな色をして。