ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人GAME ( No.3 )
- 日時: 2010/05/04 15:55
- 名前: apple ◆gmZ2kt9BDc (ID: DrxGkANi)
prologue
私達の日常を壊すようなことがあれば、何であっても許さない。
たとえ、友達でも、家族でも、自分でも……。
「鈴音、ご飯できたわよ」
お母さんのうるさい声が、ドアの向こう側から聞こえくる。
「後で食べるから、おいといて」
言いながら、PS3のコントローラーを押す。少し、手が痛い。何しろ、もう5時間以上やっているのだから。
「後で後でって……もう! 冷めて不味くなっても知らないからね!」
「もう……五月蝿いなあっ!!」
お母さんに少しキレながらも、コントローラーの○ボタンを叩き続ける。
本当に、お母さんはいつもこうなんだから……! 私のことも考えろっつーのっ!!
お母さんの声はもう聞こえてこなくなり、カタカタカタというボタンを押すだけの音だけが、部屋に響き渡っていた。
「……あっ!!」
気づいたらテレビの画面に、血のような赤色で「game over」という文字が、ドットで映っていた。私の機嫌を損ねるBGMがスピーカーから、聞こえてくる。
「ああ、もう……!」
私は、「コンティニューしますか?」と映しているテレビの電源を切り、ゲームのコードを引っこ抜いた。
ああ、もうイラつくっ!!
私は、怒ったまま階段を下りた。ドスドスと荒い音が聞こえてくる。
キッチンからは、お母さんとお父さんの楽しそくな会話が聞こえてきた。
私は、キッチンの木製でできたドアを開けた。
「あら、鈴音。ずいぶん早いじゃないの」
「ゲームオーバーになったから、下りてきた。つまんない……」
「なんだ、鈴音らしくないじゃないか。いつもなら、張り切って下りてくるのに……」
「そうねえ……。ま、楽しく食べましょう! 今日はカレーライスよ!」
やった! 私の大好きなカレーライス!
……と喜びたいところだったが、今はそんな気分じゃなかった。