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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Tragedy to exhausted ( No.3 )
- 日時: 2010/05/04 22:16
- 名前: 瑠鳥 (ID: JgiXnGnD)
覚えている最後の記憶は、帰路の記憶だ。
歩いていると、急に後ろから誰かに頭を殴られて、気絶した。
そして、気が付けば俺はこの部屋に。
「何処だよ、此処……。」
「此処からは、出られるのかな?」
この部屋にはもう一人、女の子が居る。
優しそうな顔立ちで、凄く不安そうな表情をしている。
「まぁ、大丈夫だろ。」
俺は、女の子に言った。
女の子は、ニッコリと笑った。
「はい……えっと、名前は?」
「飯島聡史……君は?」
「谷原香です。」
「そっか、あ…敬語とか別にいいから。」
まだ、暢気な話を二人でしていた。
暫くして、放送か何かで天井から声がした。
『初めまして二人とも。早速だけど、君達には大切な仕事があるんだ。その先のドアを、開けてくれるかな?』
「ふざけるなよ!!此処は何処なんだよ」
『今は、話し合う時間なんてないから。早く進まないと、この部屋毒が充満して二人とも、苦しんで死んじゃうよ?』
すると、何処からとも無く煙が部屋に入ってきた。
吸うと、喉がヒリヒリした。
どうやら、本当に毒らしい。
俺達は急いで、ドアの向うへ行った。
「香ちゃん、大丈夫だから。絶対、警察が助けに来てくれる。」
「う、うん。」
ドアの向うは、広い部屋。何も無いところで、ただ在るのは目の前に、鍵と不思議な硝子の窓だけだ。
俺達は、立ち竦んでいた。
『では、仕事を始めてもらいます。』
一瞬で、見えなかった硝子の向うがこちら側に見えた。
其処には、信じられない光景が広がっていた。
二人の女性が、壁に釘で撃ちつけられている。釘が刺さっている手と、腹からは鮮血が流れ落ち、二人は痛みに耐え切れず叫びを上げていた。
これは、一体なんだ?
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