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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 物事の効率的な進め方 ( No.1 )
- 日時: 2010/05/11 21:56
- 名前: ここあぱうだー ◆varcH0kYbw (ID: nWEjYf1F)
<プロローグの序章>
「今から少し難しい話するけど、笑顔で聞いてね。じゃないとテンション下がるだろ? 俺も笑顔で話すから、君も……ね?」
少年は、目の前にいる中年の男に、優しく話しかけた。
「世の中の全ての物は、大抵二つに分類される。いる物と、いらない物にね。いやさ、この前まで俺は自分の事「いらない物」に分類されるって考えてたんだよ。だって、そうだろ? こんな大きな宇宙にある小さな地球の、こーんな小さな日本に住んでいるんだ。俺の親とかから見たら「いる物」かもしれないけど、客観的に見たらそんな事はない、ってね」
少し間を置いて、少年は続ける。
「でもさ、やっぱり俺って「いる物」に分類されるんだな、って、今確信したよ。だって、今俺がこの世にいなかったら」
「君の足が使い物にならなくなるなんて無かったんだから」
少年は、本当に最初から最後まで、ほんの少しも笑顔を絶やさなかった。
「バイバイ。今日初めて会ったから、名前も知らないけど。元気でね。あとさ。悪いんだけど、もし君が死んでも、俺はお葬式に出てあげられない。俺が葬式なんかに出たら、一発で警察飛んでくるもんなー。……ま、そういうわけだから! とりあえず、救急車だけは呼んでおいてあげてるから。じゃあねー」
そして少年は、何事も無かった様に、夜の街に姿を消した。
「お、俺の……足、足がぁーっ!」
そしてその後、中年の男は救急車で病院に搬送され、意識不明の重体になる事になる。
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