ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 造花が笑う ( No.1 )
日時: 2010/05/14 22:22
名前: デイジー (ID: HKLnqVHP)

世界には何千と稀な人間が存在する。
超能力者であったり、霊能力者であったり

あたしはいったいどの分類に属されているのだろうか。

あえて言うなら、“武器”であろうか……



———
「いやぁああぁあーーー!!!!!」

暗闇に包まれた世界で女性の叫び声が響きわたった。
普通の人間ならばここで慌て警察にでも連絡するのだろう

だが、あたしは特別動揺することなく声がする方向へ正確に距離、位置を
つかみ足を進めた。
例えあたしが望む形のものが待っていなくても、……



「誰か、誰かっっいやぁあっ」
OLらしき女性は目の前の異形なモノにもはや逃げる術を失っていた。
彼女の目の前に広がっていた光景はあまりにも逃避したくなるほどのモノだ。

異形のモノは、
紅い目をし、皮膚というものは全身爛れ、一心不乱に雄たけび声をあげている。
そして、手には鉈を握り締め女性にむかって今にも振りかざす。

女性は我を忘れている中で本能てきに悟る。
…ここまでか。

———キンッ

「今日の獲物はお前だけか。」

金物同士がぶつかり合う音とともに凛とした声が響く。
恐る恐る女性は目を開ける。

鉈と日本刀が交差にぶつかり合う。
日本刀を持っている少女の風貌はセーラー服を着、ショートッカットだ。

「チッ、雑魚が。」
その一声と共に少女は化け物を突き飛ばす。

「グハァッ」
木に強く背中を打った化け物はその衝撃で呻き声をあげ、その場へへたりこむ。

すると少女は目では捉えられない程の速さで移動し、日本刀を振り翳す。
そして少女は化け物を声を上げる隙もなく、一刀両断し体を半分に引き裂いた。
化け物から人間のように血が流れることはなく、ドロドロとした液体が
一面に広がりそして蒸気のように消滅する。

少女は一仕事終えたかのように軽くため息を尽き、刀を鞘に納めた。
そして、その瞬間まるで自分の体に取り込むかのように消える。

「今の事は全て忘れろ。」
そう一言言い残し少女は闇夜へと姿をけしていく。

女性はその場でただ唖然とたった数分の出来事に信じられるにいた。