ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 百物語図書館 〜 あなたのご所望は? ( No.2 )
- 日時: 2010/05/17 12:05
- 名前: バララ ◆1V5QpFfjiU (ID: xgraZn.Q)
=公園=
4月下旬といっても、最近の天候は不安定のせいなのか、少し肌寒いと感じた。
「う〜、寒いなぁ、おぃ」
と俺が独り言呟きながら身震いしている。
すると、
『PPPPPPPPPP!』
「うわっ!・・・て俺のケータイかよ」
突如、俺のケータイが鳴り始めた。
少し驚いたものの、どうせあいつらの誰か起きて俺がいないことに気付いたから電話してきたんだろう。
そう思いながら、俺はろくにディスプレイを見ずに通話ボタンを押す。
直後、俺はあれっと思った。
「俺、マナーモードにしてなかったっけ?」
俺はすぐにディスプレイを見ると、非通知だった。
それを見てさらにおかしいと思う。
非通知なら着信拒否にしてたはずだ。
なのに何故、今この電話はかかってきた?
俺は気味が悪くなるものの、とりあえず出ることにする。
「も、もしもし」
『・・・・・・・・・』
返事は無い。
さらに気味悪く思ったものの、何か聞かないことには始まらない。
「どちらさまですか?」
『・・・・・・・・・—・・』
またもや無言か、と思った俺だが、さっき何かが微かに聞こえた気がした。
「何かおっしゃいましたか?」
『・・・・・・・—の・・・だ・・・』
今度は微かに何かが聞こえてきた。
俺が、さらに何かを言おうとしたとき、その声がはっきり聞こえた。
『お前のせいだ』
「・・・・・・はっ?」
一瞬、何行ってんだこいつと言いたかったが、奴はそんな暇さえくれなかった。
『お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ。お前のせいだ』
さすがに分けわかんなくなった俺は、すぐにケータイを切ろうとする。
すると、その直前でケータイからの声が聞こえなくなっていたのに気が付く。
おそるおそる、ケータイを耳に近づけると———
「『おまえのせいだ』」
「うわあああああああぁぁぁぁぁっ!!!!」
突如、ケータイとは反対側の耳から声が聞こえたので、驚き飛び退く。
しかし、そこには何もいない。
気付くと、ケータイの通話も切れていた。
「は、はは、何だったんだよ、今の」
俺はゆっくりと立ち上がり、周りを見渡す。
「なにも・・・いないよな?」
それを確認すると、俺は胸をなでおろした。
「俺、疲れてんのかな? 明日は念のため休むか」
そういいながら、俺は家へと戻ろうとするが
「そうだ、あいつらのためにウコンでも買っとくか」
そう思い、俺はコンビニに向かって歩き出す。
途中、大きな交差点があり、そこの横断歩道を渡ったすぐのところにコンビニがある。
「信号は・・・赤かよ」
俺はそのまま渡ろうかとも思ったが、丁度大型トラックが向かってきていたため、仕方なくトラックの通過を待つ。
そのトラックがもう少しで前を通ると言う時だった。
「おまえのせいだ」
その声が聞こえると同時に、俺の身体が前に突き出る・・・
誰かに押されたと思ったときにはもう遅い。
俺は、すでにトラックに激突され、吹っ飛ばされていた。
俺を吹っ飛ばしたトラックは、やばいと思ったのかそのまま走り去っていった。
俺は薄れ行く意識の中、轢き逃げかよと走り去っていくトラックを睨み付けている。
すると、視界の端に人影が見えた。
最後の力を振り絞り、その人影に助けを求めようと思い————やめた。
俺はもう死ぬのだと確信したからだ。
なぜなら・・・その人影が、死んだはずの筒井だったからだ。
そして、筒井が何かを言う。
なんて言っているのか分からなかったが、口の動きで分かった。
『おまえもみちづれだ』