ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 破滅ノ歌ト救済ノ歌(歌姫や騎士(オリキャラ)募集中です!) ( No.15 )
- 日時: 2010/05/21 19:17
- 名前: 濃姫 ◆xXhtqTpjI6 (ID: F35/ckfZ)
第参話「おてんば姫と用心棒」
「ね、ところであたし達、どこいってるの?」
張り切って先頭で馬を走らせていたアリナが困ったことを口にする。
「えっ!? 知りませんよ!」
「知らないってどういうことよ!?」
「アリナ様が先頭だったから、アリナ様に行くあてがあるのかと思って……」
普通、そう考えますよね? 先頭を行く方に考えがあるにきまってるじゃないですか!
「あたしがそんな先のこと考えられると思ってるの!? とりあえず、ここどこよ!?」
「解りませんよ! 幸い、この先に村がありますから……。一晩泊めてもらって、ここがどこかも聞きましょう」
「そうね! さっすがグレン!」
「おっ、お客さん? めずらしー」
「はい、恥ずかしながら道に迷ってしまって……。ここがどこかお聞かせ願えませんか? それと、よければ一晩泊めていただきたいのですが……」
アリナ様がこんなこと言ってくれるわけがない。事の始まりはすべてアリナ様なのに……。
「全然いーよ! ゆっくりしてってね」
「有難うございます!」
案外すぐ了解を得ることができましたね。
「有難う! 助かったわ!」
「あれぇ? もしかしてグレッダ一族の末孫?」
「え? ええ。解るの?」
「うん! 僕のママとパパがグレッダ一族と交流があったから! だからちょっとだけ知ってる! キミの前の姫、すっごくキミに似てる!」
「あたしの前ってことは、レイラ様?」
あたしの前の姫、すっごく可愛かったらしいのよね。
「そう! レイラ様!」
「まさかこんな所で交流が会った一族に会えるなんて!」
「……」
グレンはただ二人のやり取りを見ていた。引っ込み思案気味のグレンは、初めて会った人とここまで会話が弾むものなのか……と思っていた。
「ねぇ、僕さ〜」
「なに?」
「僕もグレッダ一族に仕えたいんだ。何か僕にできることはある?」
「えぇ、勿論よ! あたし達の目的は歌を悪に使う奴らを倒すこと! 協力してくれる?」
「うん!」
そして、後に救済軍と呼ばれることとなるアリナ達は、強力な仲間・エリールを手に入れたのだった。