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Re: 妖と僕 壱ノ章 はじまりの夜(壱) ( No.14 )
日時: 2010/05/30 14:33
名前: 沖 誠 (ID: abPfWlRE)

こんばんは、今日二回目の返信になります。
本当だったら沖田誠にしたいのですが 何が好きかバレバレになるので沖にしました・・・
最初から私事ですみません。
それでは、カキカキ


一瞬にして 気配で誰なのかわかった。
胸の中で警鐘が鳴り響く・・・

「ゆづき・・・」

心配そうに見つめる棗を気にせず、ゆづきは 自室に戻りベットで疼くまった。
内心では 来て欲しくなんてなかった。
胸の内で「来るな」と何度も繰り返す。
しかし、だれも出ない玄関では、其の言葉をかき消すかのようにブザーが何度も鳴り響く。
迎えにきたのだと実感がようやくわく。

「高見さん、高見ゆづきさん」

ブザーでは、なくなりドアを叩く音が聞こえた。次第に叩く音は強くなり、ドアの揺れる音がわかる。
その恐ろしさにゆづきは どうしていいのかわからなくなった。
もう出たら此処にはいられなくなる。棗とは居られなくなる。事情とは このことだ。覚悟はしていた。
しかし 夜の6時としていたが約束が違う。会う相手はそうもいられなくなったのだろう。会う相手は ゆづきとって一番嫌な相手であった。
しかし 何時、何処で此処に自分がいるとわかったのだろうか。
中学の事件がきっかけだった。事件の一ヶ月後、その相手から 電話がかかってきた。その電話をかけてきたあいては しつこく事件について聞いてきたのだった。そして 今年の春 どうしても会いたいと言ってきたのだ。7月7日 それは ゆづきの誕生日でもあった。その次の7月8日相手は 会いたいと言ってきた。そのあいては ゆづきの素性をすべて知っていた。
その男は ゆづきと面識があったのだ。

その名はゆづきの兄 帝 悠斗・・・。


高見ゆづき十六の夏 これが悲劇の幕あけだった。