ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: repetition†world -fall ( No.18 )
- 日時: 2010/06/17 21:12
- 名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)
>>17 ハバネロさん
ありがとうございまーす(*´∀`)
怖い…要素を取り入れたつもりは全く無いのですが、少しでもそう思ってくださったのはちょっと嬉しいですw
ノエルの影はすぐに消えて、あっと言う間に姿まで見えなくなる。
「一じょっ……!」
だが、縁起でも無い事を想像したのもつかの間、
空から、ノエルが降りてきた。…いや、降ってきたと言う表現の方が正しいのか?
「…さっき、落ちたはずじゃ?」
ぽかんと口を開けたままの七星。
俺も事態が分からなくなる。元々分からないが。
先程この眼帯少年は屋上から飛び降りた。
だが数秒もしない間に、空から降ってきていた。
着地の仕方も普通では無い。
舞い降りたかの様に、ふわりと。
そして当の本人は、何くわぬ顔で立っていた。
全く訳が分からない。
「…説明するわ。何もレインから説明を受けていない様だし、意味不明で変な転校生だと思われても困るもの。」
いや、ぶっちゃけこの双子は意味不明で変な転校生だと言うプロフィールが俺の頭の中で構築されていたんだが。
「は、ハハー…スクールライフが楽し過ぎて、すっかり自分のミッションを忘れていたのデスよ。」
この二人やこの不可思議な現象についての説明を任されていたらしいレインは、苦笑いを浮かべている。
そして、リエルが俺達に長い話をし始める。
どうしてこうも、二人が真剣なのかは分からずに。
*
「…えーと、さっきの話をまとめると、地球の危機を救う為に私達が立ち上がる、みたいな所なのかしら?」
灯が首を傾げる。
話の内容はどこかの小説のストーリーの様なものだった。
今俺らが住んでいるこの世界は『表世界』と呼ばれる空間で、それと対になる『裏世界』なるものが存在しているらしい。
裏世界は俺らで言う魔法や非現実的な事が常識な世界で、こっちから見れば向こうの世界は非現実的、向こうの世界から見ればこっちの世界が非現実的に捉えられる、と言う事。
まぁ俺達の常識が絶対、と言う訳では当然無いのだし、俺達が基準、と言う訳でも無い。
だから、その話はすぐに飲み込む事が出来た。
正直、さっきのノエルがやってみせた行動を見せられて、この話を信じられない訳がない。
「いいえ、別に私達は地球なんてどうでも良くて…。ただ、表世界と裏世界の調和を任されているだけなの。」
リエルが言葉を紡ぐ。
そこで灯は、また分からないと言った表情で質問を投げかけた。
「え、でもー…、地球なんてどうでも良いのだったら、表世界と裏世界の調和なんて必要無いんじゃ?」
「この世の中心が地球って訳じゃ無いもの。星は無限に存在しているし、地球よりももっと文明の発達している星、あるいは人間よりももっと頭の良い生物が存在している星があるかもしれないでしょ?それに、表世界と裏世界の他にも世界は存在しているの。それこそ無限にね。」
リエルはそう言ってみせた。
灯は言葉に詰まり、その他の誰もが、それに反抗する言葉を紡げない。
俺達は自分達の世界だけしか見なくて、視野が狭かったのだ。
己の価値観だけで他の世界達を、否定出来る訳が無いのにー…。
「で、表世界と裏世界の調和を乱す『魔物』ってヤツは、一体何なんだ?」
一番気になっていた事を問いかける。
その時、レインのペンダントから大人しく出ている蛇が、ちょろっと舌を出した。
まさか、こいつも似たようなものだったりするのだろうか?