ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: repetition†world -fall ( No.22 )
- 日時: 2010/06/17 21:14
- 名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)
>>20 アキラさん
卵焼きwww
この光景は平和ですよねっ
応援ありがとうございます。頑張ります!
大きく黒い穴は別の生き物のように蠢き、真っ黒な闇を纏わせている。
皆が皆その穴から距離を置くと、その中から…醜い容姿をした、小人のようなものがぞろぞろと現れた。
「な、何これ!?」
灯がその不気味な光景にぎょっとする。
「…これは機関でも確認されている魔物だわ。…名称はゴブリン、だったかしら?」
リエルがそう言うと、レインのペンダントから出現している蛇が彼女の元へと移動した。
蛇が抜け出した瞬間、ペンダントは輝きを失う。
「…ツチノコ、武器出して。」
ツチノコ?
と言う事は、この魔物はツチノコと言う名称なのだろうか。…幻の蛇がこうもあっさり見られるとは。
そんな事を考えていると、ツチノコとやらは口からやたら長い斧を吐き出した。それを手に取ると、リエルは構えの体勢をとった。目ではゴブリンをじっと見ている。
「数が多いわ。これなら複数でやっちゃった方が早く片付くかも。」
「…レイン。三人に説明よろしく。」
ノエルがレインに合図を送る。
レインは「ラジャッ」と呟いた後、ツチノコをノエルの方へ誘導し、そして武器を吐き出させた。
彼が使用する物は幅の広い剣らしき物。
こんな大きな物を吐き出せるツチノコを改めてすごいと思った。
「…あのゴブリン達は魔物デス。きっと、裏世界から転送されてきた者だと思いマス。此処は表世界から切り離した切断空間デスから、幾ら暴れても平気なのデス。表世界に影響はありまセン。
…ただ、切断空間に居られる時間には制限があるのデス。どれくらいの長さかはまだハッキリと分かっていないのデスが…、切断空間が閉じてしまう前にそれぞれが居るべき世界に戻らないと、切断空間からは永遠に出る事が出来なくなってしまうと言われています。」
レインは説明しながら、じっとリエルとノエルがゴブリンをなぎ倒していく様子を眺めている。
俺達も、こんな風に戦わなければならなくなるのか……。
「ね、レイン。私達はこれからどうすれば良いの?ただこうやって眺めてるだけじゃダメなんでしょ?」
「このツチノコはレイン達の武器の管理を任されていマス。それに、貴方達は今日自分の宿命と真実を知らされたばかりデス。まずはレイン達に魔物の相手を任せた、機関と対面しなければなりまセン。そして武器を受け取り、初めて戦いが始まるのデスよ。」
いつものレインからは考えられない落ち着いた声色。
気がつけば、二人は戦闘を終えていた。
「まだぽっかり穴が開いてるな…。」
黒い穴は少し小さくしぼみはじめている。
「その中へ飛び込めば裏世界に行けるわよ。行ってみる?」
リエルがニコリと笑って言う。
「いやいやいや、行かないって。」
当然行く気は無い。何が起こるか分からないし、絶対に今の俺では死んでしまうだろう。
「魔物には幾つかの種類があるのデス。一つは敵意剥き出しに攻撃してくる者、二つ目は危害を加えないで普通に生活している者、三つ目は他の生物と助け合って暮らす心優しい者デス。…圧倒的に一番目が多いのが難点デスネ。」
「いきなりこんな事言われて見せられて混乱してると思うけど、ちゃんと普通の生活もおくれるから。…少なくとも、かなり危険な奴が現れなければ、だけど。」
ノエルの言葉に安心する。
最後の言葉が気になる気もするが、現状のままでは大丈夫と言う事らしい。