PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: repetition†world -fall ( No.3 )
- 日時: 2010/06/17 21:06
- 名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)
七星に続いて屋上に現れたのは、桜花 灯(おうか あかり)とレイン・ロバーツ。
灯は小さい頃からの幼なじみで、レインはついこの間イギリスからやってきた転校生。
二人共食事は済ませたようで、手ぶらで屋上にやってきた。
「ごめんごめん。まさかひかげがこんな所に居るなんて思わなくて…」
灯が苦笑いを浮かべてレインに謝る。
俺が此処に居ると言う事を、レインが灯に知らせていたようだ。
「ヒカゲがそそくさと屋上へ上がるのをついさっき見たデス」
なるほど、そう言う事か。
恐らく七星も同じような理由だろう。
二人も俺達の近くで腰を降ろすと、空を見上げた。
「今日は久しぶりに晴れたわねー」
三人は仰向けに寝転がっており、久しぶりに快晴な青空を堪能していた。
「そうだな……あーお腹いっぱいだし、眠くなってきた」
ふわぁ、と七星は欠伸をすると目を閉じた。心地よいそよ風が吹き、頬を撫でる。
だが、腕時計を確認してみると、針は既に昼休みの時間は終わりを告げる直前の時刻にまで迫っていた。そろそろ教室に戻らないとマズい。
「そろそろ戻るぞ?チャイムが鳴りそうだ」
そう三人に告げると、俺はその場から立ち上がる。包みを手に持って三人が立ち上がるのを待った。
すると、さっと起き上がった灯が、俺の方を見上げる。
「そうそう。ひかげー」
「ん?何だ」
すっくと立ち上がると、灯は服についた汚れを手で払いのけながら言った。
「今日、昼休みの後に全校集会があるらしいから、講堂に集まれって先生が言ってたよ」
「………」
何故だろう。
いつもなら自然な流れのはずなのに、その言葉を聞いた瞬間──ふいに、背筋に寒気がした。
気のせいだと頭の隅に押しやって、灯の言葉に頷く。
ゾクリと寒気がしたのなんて気のせい気のせい…そう思いながら、俺達は講堂に向かった。
PR