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Chapter 4 二人の少女の出逢い ( No.37 )
日時: 2010/06/15 05:49
名前: 更紗蓮華 (ID: lNJ.MCVY)

長い間ほっておいてしまって、ごめんなさい!


ギイッ・・・

扉がきしむ音。ふわっと、暖気が顔に当たった。
ええ?暖房つけっぱなし・・・。

「クレッセ、出かける時くらい「おかえりなさい。・・・お客さんですか?」

部屋の真中には、暗い銀髪に藍色の目の少女がいた。私と同い年くらい?

「クレッセ、この人だあれ?同い年くらいに見えるけど・・・」

クレッセは、奥のキッチンから暖かいココアを持って来ていた。
手袋した状態で、よくカップを三つも持てるね。

「この子? さっき、路地裏で拾ったんだよ。・・・そういえば、まだ名前聞いてなかったな」

「はい?」

クレッセは、女の子に顔を向けて、言う。

拾った?人間を?赤ちゃんならまだしも、私と同い年位だよ?
それに、名前聞いてないって・・・

「・・・名前は、ありません」

女の子は、静かに言った。って・・・

「え?」

クレッセが、驚いた顔で小さく呟く。

「名前は、ありません。そもそも、戸籍もありませんから」

・・・ホントに、捨て子?でも、この年で?信じらんない。
それにこの人の服、汚れているけどかなり上等なものだ。孤児というのは、考えづらい。

「名前ないんだったら、俺が付けるよ」

「ええっ?」

いい考えだ、と自分でも思っているに違いない。顔に出てるし。
そういえば、クレッセが人にやさしくするのって、ちょっと珍しいね。

「じゃあ、今日からお前はイル。イル・シャルノーヴァ」

「イル・・・」

あ、ホントにつけた。
女の子・・・イルはしばらく考えこむと、ニッコリと笑った。