ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Got Part -神の一部- 拾弐話up ( No.112 )
- 日時: 2010/08/23 11:45
- 名前: 輝咲 ◆7kKwdRQzyk (ID: PAeJS2fQ)
●2章 part伍
よく晴れてた先日のことだった。
「俺と付き合ってくれ!」
「えっ……!?」
冬野うさみというごく普通の女の子が通っている学校の屋上でだった。
とある学年のイケメン男から、『告白』されたのだ。
勿論、初めてではない。
何回かは告白された。
けど、全部断ってきた。
今回も断った。
——いつもどおりに。
上司に頼まれて、買出しに行ってた時だった。
「おい雪女!!」
5、6者の柄の悪い男達が、道を歩いていたうさみを呼び止めた。
「な……何?」
ゆっくりと振り返り、少し震えた声で男達に返事をした。
「ちょっと来い。」
うさみは腕を捕られ、裏路地に連れて行かれる。
ドンと壁にぶつけられ、男達に囲まれる。
「御前、昨日俺の弟をふったあげく、スノーマンにしたらしいなぁ!!」
一番体が角ばった男が前に出て、うさみに吼える。
「そ、それが? ちゃんと断ったよ?」
「俺が聞いてるのはそっちじゃない!! 何で弟をスノーマンにしたかだよ!!」
角ばった男の額には血管が浮き出ている。
マジ切れのようだった。
うさみの首を片手で掴み、壁に押し付ける。
手に持っていた買い物鞄が落ちる。
「うっ……!」
足が宙に浮き、体の重みが全部うさみにかかる。
首が絞まって息ができない。
「は、離して……!!」
出るだけの声を出したが、掠れて上手く声が出ない。
うさみは男が掴んでいる手首に、両手で掴む。
なんと、掴んだところから冷たい空気が吹き出た。
そして、みるみる手首が凍っていく。
「———!!!」
声になっていない叫び声をあげる男。
泣きそうな顔で、凍った腕を引き抜く。
解放されたうさみはゴホゴホと苦しそうに咳をする。
「て、てめぇぇぇ!! 何しやがる!!」
男は本気で切れた。
凍っていない腕で、うさみを殴る。
「……っ!」
腕で攻撃を防いだが、バランスを崩し、壁にまたぶつかる。
体全体を強打し、痛みが体に走る。
「てめぇらぁ!! 殺ってしまえ!!」
「おっす! 兄貴ぃ!」
手下達はそれぞれ軽い柔軟し、ニタニタを笑っている。
全員、素手でたりみたいだ。
(ど、どうしよ……。闘わなきゃ……。)
と言っても、うさみの体は動かない。
痛みは我慢できる。
しかし、体が動かない理由があった。
(こんな時に限って……。『アレ』のせいで……。)
涙が毀れそうになる。
そんな後悔をし始めた頃だった。
——この場所に、『救世主』が現れたのは。